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7話: 桜庭侑都 ページ9

*


チャイムの音と共に6時間目の授業が始まる。やっぱり午後の授業というのは気が抜けやすいのか、周りを見渡すと気だるげそうな人が大半を占めていた。

で、そんな中俺はというともちろん気だるげ組に所属しているはしているのだが、昼食の後くらいからものすごく頭が痛い。なので授業に集中するどころではないのだ。つまり集中する気があったとしても集中できないのだ。

…仕方ない、保健室にでも行こうか。

「…先生。頭痛いんで保健室行ってきます」

先生からの許可ももらったので俺は堂々と廊下に出た…のだが。

俺の足は何故だか保健室とは真逆の方向に向いていた。…うん。おかしい。

しかもだいぶ寝不足でぼうっとしていた頭は(多分痛いのはこれのせい)『そうか、俺の足。お前はそっちに行きたいんだな』とでも言う風に仕事を放棄してしまい、歩みを止めるどころじゃない。

俺は仕方なくノロノロと歩いていたのだが、歩いているうちにあることに気がついてしまった。

この道って、図書室に来るときにいつも通ってる道では…?

そんなことを考えているとふと紅葉(アイツ)の顔が俺の頭の中をよぎった。

そういえば、確かに図書室は紅葉(アイツ)と初めて話した場所ではあるけれど、何で今俺の頭の中に出てくるんだ。

きっと熱でもあるんだ、可笑しくなってるからそんなこと考えてしまうだけだ、と言ってる俺とお前は特別な感情か何かを抱いているからアイツのことを考えているんだ、と言う俺が心の奥底で戦っていた。

そんなこんなで勝手に葛藤しながら歩いていた俺はついに図書室についてしまった。

幸か不幸か図書室には誰もおらず、来てしまったからには仕方がない。俺は図書室にいることにした。さて、何をしようか。

1つの椅子に座ってゆっくりと目を閉じる。すると多くの人がいるときには分からない、視角以外の情報を感じとることができた。

昔から置いてある本の紙の匂い、その1つを誰かがとって行くような小さな音、隣でページをめくる音、本について語る嬉々としたあの声…。

…………ん?

やっぱり疲れているのかもしれない。ダメだ。俺は今頭がものすごくおかしい。何を考えようとしても紅葉のことをしか出てこない。重症だ。てかそもそも何でよりによってアイツなのだ。まるで俺がアイツに恋でもしているみたいな…。

やめよう。とにかく俺がキモくなる。

こういう時は寝て忘れるのが1番!よし寝よう。









*

放課後になって起きた時には目の前に、紅葉がいるだなんてことはこのときの俺はまだ知らない。

8話: 御子神隆露→←6話: 時雨○



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なるせ(プロフ) - 更新終わりました! (2019年5月6日 16時) (レス) id: af1a978d4d (このIDを非表示/違反報告)
なるせ(プロフ) - 更新します! (2019年5月6日 15時) (レス) id: af1a978d4d (このIDを非表示/違反報告)
櫛鉈(サブタブ) - 更新終わりました (2019年5月5日 22時) (レス) id: 045ecd0b94 (このIDを非表示/違反報告)
櫛鉈(サブタブ) - 更新します! (2019年5月5日 21時) (レス) id: 045ecd0b94 (このIDを非表示/違反報告)
京将(プロフ) - 更新しました。ギャグ要素が抜けてしまった…! (2019年5月2日 15時) (レス) id: 8bab4445ef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:京将 x他6人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年4月5日 22時

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