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8話: 御子神隆露 ページ10

抜けるような青空

昨日の雨で濡れた露草

太陽光で煌めく木々の葉

ざわざわと騒がしい教室

変わりない一日

「ねーねーここってさぁ___」

「あー…次あれだ、なんだっけ?__」

「ギリギリセーフ!大丈夫だっ!間に合った!___」

所々からいろいろな声が聞こえては飛び交っている

(…うるさい…)

薄っすらと目を開けて、俺は教室を少し恨めしそうに睨む

教室の情景は大して変わらず、いろいろなペアやグループがあり、それぞれがその中で話したり遊んでいる。いつも通りの“ここの”日常風景だ


___この教室での俺の席、窓側にある机はちょうど真ん中で人が集まりにくい
これが一番後ろだったのなら地獄だ。教室の端とかはよく人が集まるからおそらくたまり場の一番近くになるだろう。だからすごくうるさい
でもここは中途半端に真ん中で皆他のとこに集まっている。好都合
それに俺は人にも近寄られない。話し相手なんてもっての外だ。そんなのはいないし、俺自身人が苦手なこともある。だから一人でいい
…だけどうるさいことには変わりないのだ。できることならば耳栓でもして寝たい

でもそれをしてしまうと予鈴が聞こえなくなってしまうため、できない。ほんと無念と言うしかない

(…はぁ…寝れない)

むくりと起き上がって、頭の後ろを少しかいてから、机の中に手を突っ込んで一冊の本を取り出す

それは世界中の神話について書かれた本だった。
未だに読み続けて、あんまり面白いのか分からない姉の本。中身はだいぶ論文じみている

パラパラとめくって、適当に中身に目を通す

…もう大体内容は覚えてしまったからあんまり面白くもない。しかし俺の所有物で書物はこれしかない。
暇を持て余してしまえばいつでもこの本に目を通しているので覚えてしまうのも無理はないと思う……自分で言うのもあれだけど

「…はぁ…」

ページを止めて、目を細めては人間性を考える
神話というのは大体人間じみているものだ
これを読めば少しは他人の心やら人間性的なものを理解できるかと思ったがやはり少し難しい

だけど姉はこれを理解できていたらしいのだからすごい

『隆露はすっごく良い子だし、それにすっごくすっごく頭もいいんだから、僕なんかよりもずっと大人らしいと思うけどなぁ』

昔、姉に言われた言葉が脳裏に浮かぶ

「…大人らしい…ねぇ…」

あいつは何を思っていったのだろう

ほんとによくわからない人だった

よ気付けば予鈴がなり、クラスメイトが皆席につき始めていた

9話: 白菊露○→←7話: 桜庭侑都



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なるせ(プロフ) - 更新終わりました! (2019年5月6日 16時) (レス) id: af1a978d4d (このIDを非表示/違反報告)
なるせ(プロフ) - 更新します! (2019年5月6日 15時) (レス) id: af1a978d4d (このIDを非表示/違反報告)
櫛鉈(サブタブ) - 更新終わりました (2019年5月5日 22時) (レス) id: 045ecd0b94 (このIDを非表示/違反報告)
櫛鉈(サブタブ) - 更新します! (2019年5月5日 21時) (レス) id: 045ecd0b94 (このIDを非表示/違反報告)
京将(プロフ) - 更新しました。ギャグ要素が抜けてしまった…! (2019年5月2日 15時) (レス) id: 8bab4445ef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:京将 x他6人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年4月5日 22時

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