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かっこいいですね、と続けられる。
確かに大人な雰囲気を出そうと、俺も普段の服装とは違う感じで着てみたのだけれど、何気なくぽんと投げ込まれるようにかっこいいと言われて少しむず痒い。
｢それに、ジョングクさんの、その香水、｣
｢はい、前にAさんがくれた香水です｣
最初はスパイス系にしようとも思ったのだけれど、中国茶の方にした。
甘いけれど、優しい匂い。
すぐに気付く彼女に流石だな、と感心した。
｢実は私も今日、ホワイトティーの香水なのでちょっと似ちゃい、ましたね｣
そう言いながらAさんはまた、髪に触れる。
｢でもあの香水、使ってくれて嬉しいです｣
｢あぁ、それは、｣
俺が気に入っているのも勿論だけれど、Aさんが好きだと言っていたのを思い出したから。
｢落ち着くじゃないですか、この香り｣
｢それ、分かります。こういう香水こそ、寝る前とかに吹きかけると、気持ちよく寝れるんですよ｣
｢じゃあ、今度試してみますね｣
目が合って、ふわりと彼女が笑う。
最初に感じた僅かな緊張感は消えたみたいで、良かった。
中々、好調な滑り出しのような気がする。
そのことに再び浮かれそうになったけれど運転する手前、頭から追い出してハンドルをそっと握り直した。
レストランで、彼女と初めて食事する間に新たに知ったことが一つ。
Aさんは、美味しい物を食べると口数が少なくなるらしい。
食事中は会話は勿論あれど、ほとんどもぐもぐと口を動かしていた。
最初は口に合わなかったかな、とか退屈なのかな、とか心配してしまったのだけれど、どうやらそれは杞憂だったみたいで。
顔にすぐに出るこの人は、料理を口に運ぶ度にぱぁ、と瞳を輝かせる。
それだけで言葉を発さずとも、表情で美味しいんだと分かるくらい。
夢中になるから口数が減るんだ、と気付いたら話そうと思っていたものの、美味しそうに食べてる所が可愛くてつい見詰めてしまった。
デザートの時に、本人の口から食べるのに夢中になってしまうことについて謝られたけれど、気に入って貰えたみたいだから全然気にしてない。
｢食べるの好きなんですか？｣
俺が聞いたら、
｢はい、凄く好きで。今日は素敵なレストランに連れて来てくださって、ありがとうございます｣
と、言ってくれた。
｢それにここ、景色も凄く綺麗ですね｣
彼女が窓に目を向ける。
前に一緒に見た時のものよりも、華やかな夜景がそこに広がっていた。
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にゃんまる(プロフ) - 最後まで読ませて頂きました。ずっと、また読める日がきたらいいなと勝手に思っていました。感想をこちらに書き込むことがご迷惑になるかもしれないとも考えましたが、嬉しい気持ちだけお伝え出来ればと思いました。 (1月16日 20時) (
レス) @page43 id: 805116046d (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2024年1月14日 18時
