57.不本意な職場体験�� ページ8
ケイが1番だと必死に謝る彼女と、あの慈しむかのような声音ではないが早希ちゃんに対する言葉と似ているファンサを行うケイさん。完全に2人の世界で置いてけぼりを喰らう。鳥肌の立ちきった私の肌の為にもこれは逃げる好機だと接客に戻るべく一礼して踵を返す。
「あやつは研修中の身、俺の小間使いだ。君が目をかけるほどの者ではない」
おいおい好き勝手言ってくれてるな。
「A」
料理を運び終えて落ち着いてきたところで、ケイさんに手を引かれたので大人しくついていく。フロアの隅っこに連れてこられた。
「過ぎた話ではあるが、俺が止めていなければ客からの問いにどう答えるつもりだった？」
唐突に聞かれて小首を傾げる。もしかして名前のことだろうか。
「えっと…雑草ですかね」
「………」
呆れた顔で溜息まで吐かないでくれ。むしろ客観視出来ていると褒めて欲しいくらいだ。
「貴様は己を卑下するのも大概にしておけ」
「はあ…」
「この俺が買っているのだ。米粒ほどの自信を持っても罰は当たらないだろう。…話を戻すが、あれくらい上手くかわせないでどうする。貴様は要領が悪くて優柔不断だとは百も承知だが、給仕は給仕らしくオーダーを取ることと料理を運ぶことだけに専念しろ。キャストでもない貴様が無意味にへらへらと媚びるのは止めておくことだ」
まじで何なのこの人。ほんの少し飴をくれたかと思ったら、とんでもない鞭浴びせてくるじゃん。つーか断じて媚びてない。私がちょっとお客さんに声掛けられたからって突然現れて横からかっさらっていったくせに。公演前なんだから瞑想でもして大人しくしてろよ。…ん？ちょっと待てよ…？
「もしかしてケイさん、私のこと心配してくれてるんですか？」
私の思い違いでなければ多分そうだ。この人は私が声を掛けられてすぐに現れた。おそらく上手くやっているか様子を見てくれていたんだろう。そしてこんな私でもカッコイイと言ってくれる物好きな方に目を付けられまいと、小間使いだとか言って気をそらしてくれたんだと思う。私の言葉に彼は少しだけ目を見張ると、すぐにいつも通りの澄ました顔で「…フン、」と鼻を鳴らした。
「解釈は任せる。好きなように取るがいい。俺は何事もなく穏便に事が済めば構わない」
彼はぽんっと軽く私の頭に手を置いたかと思ったらすたすたと行ってしまった。そろそろ本番だから舞台袖にでも行ったのだろう。うーん、あの人早希ちゃん以外に不器用過ぎない？
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もずく(プロフ) - おしおんさん» コメントありがとうございます！このような妄想を詰め込んだ話を好きと言って貰えてとても嬉しいです！ハロウィンガチャで爆死して意気消沈してましたが、そのうち復活すると思いますので、お時間がある時にでもご覧になってくださると幸いです！ (2021年11月19日 7時) (
レス) id: 68c913f1cf (このIDを非表示/違反報告)
おしおん(プロフ) - 最近ブラスタを知り始めたマイカちゃん推しの変人です！この小説めっちゃ好きで、続きもめっちゃみたいです！無理をしない程度に頑張ってください！応援してます！長文失礼しました！ (2021年11月15日 23時) (レス) @page2 id: a14fe6ccb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もずく | 作成日時：2021年9月26日 22時
