53.無自覚ってタチ悪すぎ ページ4
「そろそろ出ようか？」
テーブルの上に積み重ねられたお皿の量に顔を引き攣らせているマイカちゃんへ促せば、彼にまじまじと顔を見られ「お前の胃どうなってるの？」と聞かれた。そんな事言われても。まあいいか、と伝票を手に取った彼はスタスタと会計へ行ってしまうので慌ててついて行く。
「いくらだっけ？」
「僕が誘ったんだから払わなくていい」
「いやそんなわけにもいかないでしょ。奢られたら申し訳なくて気軽にご飯行けなくなる」
「…そういうとこだよ。お前がキャストの皆に女扱いされないの」
「えっ」
友達なので平等でいたいから頑なに払おうとすれば、呆れられてしまった。どうしていいか分からないでいると「…まあ、お前のいいとこでもあるよね」なんて微妙なフォローを受けた。財布しまっていいのか？と混乱したところで、会計してくれる店員さんがにこりと私達に告げた。
「本日レディースデーになりますので10%引きになります」
あっ。
やっべーと冷や汗をかく。ちらりと横にいる彼へと目を移せば、思いっきり眉間に皺を寄せていた。良かれと思って言ったのに突然不機嫌オーラを出された店員さんは明らかに動揺する。これはまずいと私は咄嗟にマイカちゃんの腕に手を添えた。
「すみません、私達カップルなんですよー。私の彼氏可愛いですよね」
「は？」
「し、失礼しました！では1名分のみ10%引きにさせて頂きます」
間違いに気付いた店員さんは慌ててレジを打ち始めた。雰囲気を緩和させる為とはいえ嘘をついてしまったので、恐る恐る隣の彼へと顔を向ける。
「え、」
「見るな」
ほんのり色付いた頬に無意識に声が漏れる。それに気付いた彼に視界を遮るように手の平を向けられた。ぱちんと軽く頬に手が当たり「先外出てろ、ばか」とぶっきらぼうに言われる。うーん、絶対可愛い顔してるので目に焼き付けておきたいのだが許してくれないだろう。渋々言う通り店外へと出た。
会計を済ませて店から出てきたマイカちゃんと目が合う。さっきの赤らんだ顔はどこへやらすっかり涼しい顔をしていた。あーあ、残念。
「ご馳走様でした！次ご飯行く時は私が出すね」
「……お前さ、」
「うん？」
「急にくっついてくるのやめろ」
「えっ」
「そういうの勘違いさせるから。僕以外にもやるなよ」
「う、うん…？」
触られるの嫌だったのかとショックを受ける間もなく畳み掛けられる。圧がすごくて思わず頷くと、彼は満足そうに笑んだ。なんなんだ…？
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もずく(プロフ) - おしおんさん» コメントありがとうございます！このような妄想を詰め込んだ話を好きと言って貰えてとても嬉しいです！ハロウィンガチャで爆死して意気消沈してましたが、そのうち復活すると思いますので、お時間がある時にでもご覧になってくださると幸いです！ (2021年11月19日 7時) (
レス) id: 68c913f1cf (このIDを非表示/違反報告)
おしおん(プロフ) - 最近ブラスタを知り始めたマイカちゃん推しの変人です！この小説めっちゃ好きで、続きもめっちゃみたいです！無理をしない程度に頑張ってください！応援してます！長文失礼しました！ (2021年11月15日 23時) (レス) @page2 id: a14fe6ccb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もずく | 作成日時：2021年9月26日 22時
