食事 ページ7
絵画の女の人 通称絵画さんにドレスを着せてもらった
割とごわごわすると思っていたけどそうでもないようだ
流石というかなんというか…
ドレスと言っても苦しくはないし
「すごい綺麗だね!これならきっとラミアも喜びそうだよ!」
『どうでもいい…だいたいなんで敵を喜ばせるんだよ これは侮辱だ』
「うーん 君はまだラミアを知らないじゃない?」
『知らないし知る気もない』
「知ろうよ これから一緒に暮らすんだよ?」
『いつか逃げてやるよ それか死んでやる』
「どうしてそんなに嫌うのさ」
『私はヴァンパイアハンターだぞ?嫌うに決まってるだろう』
「うーん…吸血鬼のイメージは吸血鬼によって変わるよ
かくいうラミアだってそうだもん」
『何が変わる 同じだろう』
「人の生き血が主食
裏返せば人の生き血を吸うことでしか生きられないって考えられない?」
『どちらにせよ人間に危害を加えるのなら殺すだけだ』
「……君は"人間"が中心なんだね」
『それはそうだろう 人間が世界で一番賢いものなのだから』
「君がその固定概念を変えなきゃ
きっと彼のことを理解することはできないよ」
『理解する気なんてないからこのままいるさ』
だいたい憎き吸血鬼なんだから
それを理解しようだなんてないさ
「遅かったな」
ドヤ顔で長い食卓の前に座っている吸血鬼
イラっとする その顔
今切り殺してやろうか
「あーお腹すいたー!ね!君もお腹すいてない?」
『空いてない 空いていたとしても食わない』
「頑固なやつだな」
『敵の出す料理なんて食わない』
「大丈夫だよ 君は大事なものなんだから毒なんて入れない」
『私が死ねばお前は飢え死にしてくれるだろう』
「そうかもしれんな」
『なら食わん』
「ちょ!ちょっとラミア!」
「どっちにせよ 貴様がいなくなれば新たな食料を食うだけだ」
『………』
目の前にあるパンと水を手に取る
そのまま席を立って外の庭園に出て行く
そしてチシャがついてきた
「せめて室内で…」
『吸血鬼と顔を合わせながら食えるか』
薔薇の庭園の手すりに手を置き
持っていたパンを一口かじった
赤白いバラしかない
もっと色鮮やかな花が 薔薇があるのに
つまらない
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作者名:もずく。 x他2人 | 作成日時:2017年11月20日 20時