【吸血鬼】血で繋がる物語【オリジナル】 (ページ3)

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災厄の吸血鬼ページ3

歩くだけで生き物を病にし

睨むだけで命を奪えた

だがその吸血鬼は

宿敵であるヴァンパイアハンターに戦いを挑まれ

瀕死になり封印された

『……何故こんな記録が…』

ここの吸血鬼は…只者ではないな

今まで倒してきた混血じゃないのは確かだ

純血かそれとも……

「ぎゃああぁぁあっっ！！！！」

『！』

今のは護衛官の声か？

ならザフルも危険なんじゃ…！

私は剣を引き抜き走り

声のした方へと走る

走って走って

血の匂いが鼻をくすぐる

この部屋の奥だろうか……

大きな銀色の扉を静かに押した

ギギギッと鈍い音がする

ザフルは無事だろうか

この際護衛官のことなんてどうでもいい

ザフルは私が幼少期の頃から支えてきてくれたメイドだ

傷付けられるのは耐えられない

「きたか人間」

血の匂いが舞う部屋に

口を弧にえがき笑う吸血鬼がいた

その手には頭のない護衛官の体がある

ザフルは見た感じいないようだ

どうか城の外まで逃げていてほしい

『貴様を討伐しにきた』

「そう簡単に俺が殺せるかな？」

『減らず口を…覚悟！』

銀の剣を片手に吸血鬼に向かって走る

そのままジャンプして剣を振り下ろした

しかしその場にキーンという金属の音が流れただけで

そこには何もいなかった

そのまま振り向いて剣を振るう

「っとさすがに馬鹿ではないな」

『当たり前だハンターを舐めるな』

「そうだな今の所は舐めないでおこう」

一旦離れて剣を構える

吸血鬼もマントをひるがえした

そのままもう一度突っ込む

吸血鬼は受け止めようとしているようだ

ならば

吸血鬼の後ろに回り込み

右腕を切り落とした

これで少しは機動力が鈍るはず

「確実に機動力を落としにきたか…
流石だ吸血鬼の心臓がどこにあるかを知っての行動だな？」

『吸血鬼は確定の場所に心臓がない
だが体のどこかに必ず心臓がある！』

「……では俺は何処にあると思う？」

ニヤリと相手が笑う

『さっき切った右腕にはないはずだ…』

「くくくっ…残念…不正解だ」

先ほど切り落とした右腕に左足を掴まれた

血が鎖のように連なって地面に繋がっている

『ベディーネン・エマ・ヴァンパイアか＿＿！』

「その通りだつまり俺には十の心臓がある
お前一人じゃ殺せやしないさ

それに切っていくうちに俺の武器は増えていく」

-最初から負け試合だったのさ-