【吸血鬼】血で繋がる物語【オリジナル】 (ページ4)

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吸血ページ4

悔しくて歯がギリギリと音を鳴らす

仕方ないだろうそれほどの力が私になかったのだ

「しかし俺の腕を切り落とせる相手は
俺を封印したヴァンパイアハンターだけだ

お前程の血をさぞ美味いことだろう」

『……』

ここで何もできず

敵である吸血鬼に血を吸われて終わるのか

悔しいことこの上ない

「どうした？もう戦意喪失か？」

『……どれだけ足掻いでも意味はない
足掻いて無残に散るなら水のごとく静かに死ぬ

それがヴァンパイアハンターの掟だ

だから！』

隠していた小型ナイフを手に持ち

自らの胸元を一突きしようとした

いわゆる自害だが

「チシャよくやった」

「ほんと自害だなんてよくするよね」

『っは…？』

手元のナイフはふわふわと空中に浮いていた

そして静かに姿を現したのは猫のような生き物だ

これは…

「こいつはチェシャ猫だ」

『チェシャ猫って…』

「そうそう童話不思議の国のアリスで出てくる猫さ」

それにしては人型…

「君不思議な匂いがするね
普通のハンターじゃないのかな…？」

チェシャ猫が私のそばですんすんと鼻を鳴らす

でも絵本で見たようなニヤリという顔に変わり消えた

ナイフ自体は消えていないのでそこにいる事が確認できる

「ラミアお腹空いてるでしょお食べよ」

『いいやだ！』

「おい死ぬ時は水のごとく静かに死ぬんじゃないのか？」

『それは吸血鬼に殺される前にでだ！
お前に吸血されるくらいなら私は死ぬ！』

「安心しろこれからの食料にしてやるから死なんで済むぞ」

『ふざけるな！近付いてくんじゃねぇ！』

「ワーオ女の子が発すような言葉じゃないねこれ」

「黙って俺に血を捧げろ」

『やめろ！私に触るなっ！』

「ぐちぐちと騒がしい女だ…少し黙れ」

『うるさい！ならお前が離r…ひぅっ！？』

ずるりと首筋を舐められる

寒気がしてきた

私はこの先もこいつの食事になるのかな…

そんならいつか死んでやりたい…

『いっ！……っう…』

首筋に鋭い痛みが走る

目を閉じていたから全くわからなかった

いつの間にか真っ赤な手錠が私を縛っていた

頭がくらくらとしてきた

視界もぼやけ始めてる

『てめっ…やめろっ！』

唯一空いていた右足で吸血鬼の腹部を蹴った

ばちばちと音がして吸血鬼は壁まで吹っ飛んだ

「ちょっ！ラミア大丈夫！？」

「この力…お前……あのヴァンパイアハンターの…」

ニヤリと吸血鬼がまた笑った