拝啓、愛する人へ【まふまふ】

不思議な少女 ページ2

今日はまふに何週間もねだってやっとできた

人間の世界へ帰る日


もちろん 私を知っている人には合わないようにする


と言っても

母が好きだった神社に行くだけなんだけどね



それさえ行ければ何の問題もないし

すぐ帰るつもりだし



『でもお付きとはね…ごめんね天月』

「いやいいよ 俺も久々に外の空気吸えていいからさ」



心配性のまふは天月を連れて行く条件で

私を外に出してくれた


『それにしてもいつぶりの外だろ』

「あの時は急に連れてってごめんな」

『いいよ 外に出れたんだし満足だから』

「ついでに好きな人もできたしな」

『刺すよ？』

「ごめん」



まぁ好きな人と結ばれるなんて思ってなかったし

天月とそらるさんには感謝しないとね



『ついた ここだよ』

「うわ 長いな階段」

『じゃあここで待っとく？』

「そうさせてください」

『はいはい 行ってくるね』



長い階段を登った先

桜の並ぶ綺麗な神社がある


ここでよく母とお参りに行っていた


『これから 幸せがずーっと続きますように…』


前はこんなこと願うことなんてなかったけど

今となれば毎日願うくらいになったし


お母さんがいればな

きっと笑ってよかったねっていうと思う



母を思い出して視界がぼやけた

泣きそうになってしまったな


神様がいる神社の目の前で


そろそろ帰ろうと後ろを振り向いた時




「あれ？初めてお目にする方ですね」



幼い声が聞こえた

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