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隣の席から強い視線を感じる。
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あれ？さっき天堂さんお昼に行ったばっか…
「え？康二くん？」
「片付けてるん？」
「…うん。ごめん、待たせてた？」
「いやええよ、
なあ、お昼さ、広場行かへん？」
「広場って…あの桜の？」
「そう！！Aちゃんが花びら掴も…「あーあーあー！！！」
なんだよ康二くん。意地悪だ。
私はさっさとデスクの片付けをし、荷物を持つ。
「Aちゃんのは手作りや？」
「うん、康二くんは…朝買ったのか」
「そうやで」
広場に着くと、人は一人もいない。
ここ、割と穴場なんだよなぁ。
私は凄い好きなのに、人気はそんなに無かったり。
「いただきます」
「…ふふ、いただきます！」
「康二くん人見知りって言ってたけど、仕事はどう？」
「ええ感じ！みんなめっちゃ優しいねん」
「そっか、なら良かった」
「あ！これ美味そう！食べたい！」
「え？これ？」
康二くんが指したのは卵焼き。
いや、これ普通の卵焼きなんだけど。
「これ普通の…」
「あかんの？」
「……いいけど」
「やった！女の子の手作りお弁当！」
ひょい、と私のお弁当から取ると、ぱくりと一口で食べる。…美味しそうに食べてくれるなあ。可愛い、笑
「可愛ないで？」
「え、嘘、聞こえてた？」
「ばっちしな」
謎のドヤ顔を見せられ、
康二くんは自分の持っていたおにぎりにかぶりつく。
「美味いな、Aちゃんの卵焼き」
「なら良かったよ」
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桜の淡い香りがフワりと鼻を掠めた。
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作者名：もずく | 作成日時：2020年5月9日 23時
