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もうどれほど泣いたかなんて分からない。
いつまで経っても枯れてくれない涙でもう顔がぐちゃぐちゃで。
あぁ、もうそろそろクリスマスじゃん。
あと、10秒で、
…
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ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ
「…え」
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誰、こんな時間に。
ラウールくん、？
いや、そんなはず…
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「…ラウールく、
……え、嘘、なん、で」
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「メリークリスマス、A」
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彼が目の前にいる。
一瞬、夢なんじゃないかって、
「じぇ、し……うぅ、な、なんで…」
「わ、泣かないでよ〜、ごめんね、びっくりしたでしょ？」
「するに決まってる、…」
ジェシーに抱きしめられる。
久しぶりの温もりと香りに
さっきまでずっと涙を流していたはずなのに、
また溢れてくる。
「ほんと、2ヶ月ぶりぐらいだよね、連絡できなくてほんとごめん」
「んーん、今会えたから……幸せ…」
「あー、もうほんと可愛い」
「…クリスマスだから、会いに来てくれたの？」
「うん、そうなんだけど…もうひとつ」
「もう1つ？」
まさか、ここまで来て別れ話？
あまりにも混乱していて頭が上手く回らなくて。
また感情が溢れ出しそうになる。
「あぁ、そんな顔しないでよ〜
…これ、渡したくて」
「…え？待って、うそ、でしょ」
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ジェシーが取りだした小さな箱は、中身を見ないでもわかる。
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「…僕と、結婚してください」
「……っ勿論ですっ」
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顔が引き寄せられ、優しくキスをする。
彼との久しぶりのキスはちょっぴりしょっぱくて、
でも溶けてしまいそうなくらい甘かった。
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作者名：もずく | 作成日時：2020年5月9日 23時
