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「…ご、めん、ラウールくん」
「……いえっ、分かってたことなので」
そう言うと、彼はゆっくり私から体を離した。
「私、ずっと付き合ってる彼氏がいるんだけどね、？
彼とは遠くで暮らしてて、
最近全く会話してないんだよね。
ほんとに辛くて、どうにかなっちゃいそうでさ…」
すぅ、と彼を見上げ、見つめる。
「でも、
ラウールくんのお陰で心が癒しで満たされたよ、
ラウールくんの優しさと、愛くるしさで」
「…」
「ありがとう、ラウールくん」
「いえ、…僕の想い、聞いてくれてありがとうございます」
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ふわりと優しく微笑む彼の笑顔はビックリするほど大人びていた。
私は涙が溢れそうなのを必死で堪える。
…駄目だよ。
だって、今1番苦しいのはきっと…
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「あの…最後にこれだけ」
「へ？」
肩を優しく掴まれて引き寄せられたかと思えば、
額に彼の唇がふれる。
どこまでかっこいいんだ、君は。
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作者名：もずく | 作成日時：2020年5月9日 23時
