部活 ページ11
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結局答えは分からないまま、時間は過ぎて。
重い溜め息を吐きながら、教科書をとんとんと整える。昼休みまでなかなか良かった天気が、私の気持ちと協調するかのように重く暗く濁っていた。
「オイ」
突然声をかけられて、顔を上げる。
その相手を見て、口角を上げた。
「しろーちゃん」
「・・・・・・学校ではその呼び方やめろって、言ってんだろ?」
「しろーちゃんはしろーちゃんだよ?」
しろーちゃんは諦めたように息を吐いた。そして、然り気無く私の鞄を持つと、先を歩き出す。
「あっ。まって、しろーちゃん」
「なんだ?」
「私もしかしたら、坂田くんと帰るかも・・・・・・」
その言葉にしろーちゃんは少し不機嫌そうな顔をすると、頬をかいた。
しばらく考えて、口を開く。
「アイツなら今日、部活じゃなかったか」
「そうなの? ・・・・・・私ってば、なんにも知らないなあ。ちなみに、何部?」
「・・・・・・さあ」
「えぇ!?」
しろーちゃんがおかしくなった。うん? どうしたんだろうこの人。
いつもはでたらめとか言わない人なのに。
じゃあ、と提案してみる。
「聞きに行こうか! なかったら、3人で帰ろう!」
「はァ!? べつに良いだろって」
「さ!」
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