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暴走、はじまって ページ23

「……あの、」
Aは声を発した。
「この木って…………一体、なんなんでしょうか」
自分を取り囲み、モモタロスらから遮った、木々。その規模は大きく、広い廃工場を覆い尽くしてしまうほどだ。
「あー?」
モモタロスは唸った。
「んな難しいこと、俺に分かるかよ」
すると、ウラタロスが言った。
「これは『ギガンデス』っていって……イマジンが契約者に借りたイメージが暴走してるもの、かな。あの黒いイマジンが強くなって暴走してるって感じ」
変身を解き、ウラタロスがAに近付く。埃や血で汚れたAの頬を撫でると、ウラタロスは「だから」と言葉を続けた。
「電王の力じゃ倒せないよ。デンライナーの装備じゃないと倒せない」
「そんな……」
Aは、無意識にそう呟いていた。
あの忌々しいイマジンを倒すことは、無理なのか。自分の手で。この手で。仇を打つため。
すると、ジークが言った。
「まあそう落ち込むでない。人間も、執念があれば強くなれるのだろう?」
「え?」
……執念。
その発想は無かったと、Aは感じた。
誰かの仇討ちを志した主人公が出てくる物語というのは、多い。それらの中で、主人公が負けそうになった時、執念によって逆転勝ちに持ち込むシナリオのものは、結構あるのだ。
だがそれは、所詮物語の中での話だ。現実でもそうなるとは限らない。
……だが。
Aの瞳は、希望の光を宿したように、きらきらと輝いていた。
物語とか現実とか、関係ない。私の目的は、ただひとつ。この手であのイマジンを討ち取ること。仇を討つこと。その執念さえあれば、強くなれる。暴走したイマジンをも、凌げる。
「皆さん」
Aは、その場にいた全ての者に呼び掛けた。全員の目線がAに集まる。Aの表情は、真剣そのものだった。
「私、直接イマジンを倒したいです。この剣で、この手で」
……だから。
Aは息を吸った。
「皆さんは、私の援護をして頂けませんか」
はっきりと、宣言した。
通った声で。自分の望みを述べた。
「……いいよ」
そう言ったのは、ウラタロスである。
「これはAちゃんの戦いだからね。……みんなも、それでいいよね?」
ウラタロスの問いに、他のイマジンらも頷いた。異存は無さそうだ。Aはほっとした。

……これで、本心が決まった。
やるべきことも。
イマジンは、私が倒す。
強い意志を胸に、Aとイマジンたちは、廃工場から外の方へ、歩み始めた。

先輩が見守る→←籠から解き放たれて



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星砕(プロフ) - にわとりさん» すみません、お友だち申請とかはよく分からないので、申し訳ないのですができないです……すみません!小説のほうは、受験生ですので難しいかもしれませんが、時間のある時に読んでみます!お誘い、ありがとうございます!これからも応援、よろしくお願いします! (2019年8月26日 22時) (レス) id: 567175ed17 (このIDを非表示/違反報告)
にわとり(プロフ) - ありがとうございます..!あの、宣伝とかじゃないんですがよければ私のお話読んで意見とか良ければ下さい..!また、友達申請を送っても大丈夫ですか? (2019年8月26日 22時) (レス) id: b7c5b25082 (このIDを非表示/違反報告)
星砕(プロフ) - にわとりさん» コメントありがとうございます!番外編は前々から書きたいと思ってました!まだ続きますので、まだ少しだけ、異時点の少女の物語にお付き合い下さい! (2019年8月26日 22時) (レス) id: 567175ed17 (このIDを非表示/違反報告)
にわとり(プロフ) - 少しの続きが見られて嬉しいです! (2019年8月26日 22時) (レス) id: b7c5b25082 (このIDを非表示/違反報告)
星砕(プロフ) - 柚子×2さん» コメントありがとうございます!イマジンは癒やされますよね!実は私いまさら電王にはまってしまいまして……電王面白いですよね!応援ありがとうございます! (2019年6月10日 22時) (レス) id: 567175ed17 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星砕 | 作成日時:2019年5月4日 14時

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