Episode.157 後悔の理由 ページ7
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後日、無事エレンとミカサは釈放され、手記についての会議が開かれた。
その後、ウォールマリアの安全を確保する作戦が立てられることになった。
今日はヒストリアがわざわざ本部まで赴き、今回生き残った兵士に勲章を授与してくれるそうだ。
広間には同期と、恐らく同期であろう元憲兵団のフロック、そして現憲兵団のヒッチの姿があった。
フロックは…あの日から生き残るのはエルヴィン団長だったと言い張ってる１人だ。
兵長に聞いたところによると、あの日団長を運んできたのは彼だったそうだ。
そして、彼がエルヴィン団長にこだわるのは…あの、あの作戦を思いついた悪魔には、もっと地獄を味あわせてやりたい…そういう理由が半分を占めていると聞いた。
むしろ、それが本心なんじゃないかと疑ってしまうくらい、たしかにあの作戦は…初陣には酷すぎた。
でも、それ以上の戦場を、犠牲を…私が知らない以上に兵長は知っていて、兵長はアルミンを選んだのではなく…団長を選ばなかったのだ。
最初はそんな話…私でも難しすぎて意味わからないって思ってたけど…今では、何となくわかる。
あの地下室のヒミツを知ってしまったら、団長の今まで払ってきた犠牲と、これから払う犠牲、それを…全て団長に背負わせるということ。
兵長は、それを選ばなかっただけの話。
それだけだ。
「Aだってそう思うだろ？」
「え、ごめん…ぼうっとしてた」
「だから…マルロ…つーか、あの作戦に参加したやつら全員…ぜってぇ後悔してたよなって」
「後悔…したと、みんな言ってたっけ？」
「いや、言ってないけどよ…わかるだろ、あの顔を見れば、あの惨状を見れば！」
「うーん、でも…生きるために死んでいくのと、死ぬために死んでいくなら…後者の方が後悔は少ない気がするけど」
「死ぬために死ぬやつなんていねぇだろ！」
「あの場にいた人は、みんなそうだったと思うよ…もちろん、私もね」
「…はっはは、だとしたら、余計…生き返らせるのは団長だろ、なのにお前は…アルミン派なんだろ？」
「派閥とかよくわからないけど…私は、兵長の選択は正しいと思うよ」
「そうだよな、お前は兵長に入れ込んでるもんな…兵長の言うことは絶対ってか」
「…フロック、よくわかんないけど…終わったことにああだこうだ言ったところでどうしようもないでしょ」
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作者名：妄想侍 | 作成日時：2023年10月5日 16時
