Episode.186 幻滅？ ページ36
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「…今が、そんな状態だと楽観視してるつもりはねぇが…寝てばっかだと色々考えちまうんだよ」
「…それは、兵長の包帯を替えることと何か関係が…あるのでしょうか」
「いや…だから、気味が悪ぃだろと…さっきから言ってるんだが」
「思いませんってさっきから言ってます」
「…そうじゃない、こんな…おっさんで、傷物で、まともに動けねぇ状態の俺を見たら…お前、余計幻滅するだろ」
「な……」
にを、言ってるんだこの人…しかもなぜか私が勝手に幻滅したことになってるし…
兵長は…人類最強と崇められるの、あんまり好きじゃないと思ってたんだけど…そうじゃなかったのかな？
案外いい気分だったのだろうか…いや、そんなことないはず…じゃないと、前に言ってた１人の自分として見てくれたことが嬉しかった的な論が破綻する。
まあ、ただ単に…皆が戦っている中、1人休むことしかできない自分に嫌気がさしてるだけ…なんだろうが、それを私にぶつけられても困るわけで…
うーーんでも、下手に何か言っても傷をえぐるだけだしなぁ…
「なんか…よくわかりませんが…特に幻滅とかしてないんですが…」
「思いのほか弱いとか思ってるだろ」
「いや、被害妄想すごいですね兵長…というか、私を庇って出来た傷ですよね、それ」
「それは違うな。あの時てめぇを投げたのは無意識だった、というより…俺がてめぇのことを真っ先に考えるような本能になってただけだ」
「だから…それがつまり…」
「というより、んな数秒の世界でお前を守ろうが自分を守ろうが大して変わんねぇだろ、お互い助かっただけでも御の字だ」
「…なら、別に幻滅とかしないですよね」
「…………」
「もう…いいから、包帯取りますからね」
そういって包帯に手を掛けるが、兵長の腕がそれを阻止する。
な…んて強情な……
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作者名：妄想侍 | 作成日時：2023年10月5日 16時
