Episode.183 おっさん ページ33
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「す、みません！ 痛いですか…？」
「そうじゃねぇが…こっちは何もできねぇんだよ、察せ」
「別に、兵長が出来ないなら私が…」
「お前…こんな手負いの野郎に何をするつもりだ…？」
「や、兵長がそんなこと言うから…」
「そういう意味じゃねぇ、俺からは何も出来ねぇという意味で言ってる」
「そ、れは…兵長も私にキスしたりしたいって思ってるってこと、でしょうか」
「…当たり前なこと言わせんじゃねぇよ、いますぐにでも全身舐めまわしてぇくらいだ」
「そ、れは…ちょっとキモイです…」
「おっさん傷つけて楽しいか…？」
「そうですよ、もう兵長おっさんなんですから…あんま無理しないでくださいよ」
「まあ、もう無理も利かねぇだろうがな」
「まあ、次世代に期待ってことですね」
「…お前、今年20か？」
「…はい、ですね。もう…５年、か」
「そう考えると兵長…頑張ったと思います。10年選手ってもうハンジさんと兵長だけですもん」
「ああ…気付いた時には…ってやつだな」
「だから、ここからは私たちに任せてくださいよ、頑張りますから」
「…俺の、見えねぇところでくたばったら、容赦しねぇからな」
「うん、了解です」
「まあ、見えるところでくたばっても容赦はしねぇが…」
「えぇ…？ そんな無茶な…」
「…まあ、つまり…生きろって話だ」
「ん、わかってますよ」
「…A」
そういって、兵長は無理やり身体を起こして、私の耳元でかすれた声で呟いた。
―――愛してる
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作者名：妄想侍 | 作成日時：2023年10月5日 16時
