【リヴァイ】人類最強の為に生きる少女の、ちょっと大人な恋物語Ⅳ【進撃の巨人】 (ページ26)

今日:1 hit、昨日:72 hit、合計:81,274 hit

Episode.176 凍えるページ26

.

side：Main

水が、顔に当たる感覚。

冷え切った身体は鉛のように重く…意識だけが、徐々に覚醒していく。

あの後…どうなった？

私…なんで生きてるんだ。

兵長は…？

最期に見た兵長の姿は、ブレードが顔に刺さった状態で、荷馬車から放り出される瞬間だった。

兵長は、生きているのだろうか…顔だけでもあの怪我なら、身体は…きっと、もっと…

重たくなった身体を無理やり起こす。

その瞬間、聞きなれた声が耳を掠めた

「…A？」

「…ある、みん」

アルミンは馬から飛び降りて、私の手当てでもしてくれるのかなぁとか思いきや、おもむろに私を馬に乗せて、慌てて馬を走らせた。

…ど、ういう状況なんだ。

そういえば、私は、こちらの街での出来事を一切合切知らない。

あれだけの期間があったのだ、何かしらあったには違いないし、今もなお巨人の咆哮らしきものが遠くで聞こえるということは、もしかしたらこっちでも巨人化が起こっていたのかもしれない。

ああ、だとしたら104期はみんな無事だろうな。

だってみんな未成年だもん。

それから、隣の馬に乗った少女。

この子は確か…サシャを撃ち殺したと言っていた少女だ。

あれから、良く生き残ってたな…ニコロ辺りに殺されてもおかしくないのに…いや、そこまで鬼じゃないのかな？

そうかな…私がもし、こんなよくわからない女の子に兵長を殺されでもしたら、その場で息の根止める自信があるけどな。

いやまあ、ニコロからしたら同郷の女の子になるわけで…まあ、そうはならないのか…

そんなことを考えながら、今はアルミンの身体に寄り掛かり、ただ馬に揺られることしか出来なかった。

その間に、アルミンが街での出来事を話してくれた。

なんというか、今すぐに理解しろと言われて理解できるほど、今の私の頭は正常に回っていない。

そして今はその、顎の巨人の力を継承したガビと一緒に船に乗って来たもう一人の少年を、コニーが自分の母親に食べさせようとしているらしく、それを阻止するために馬を走らせているらしい。

それは、完全にコニーも相当参ってる状態だろうな…コニーだって、巨人の寿命は知ってるはずなのに…

「ファルコ！！その人から離れて―――」