Episode.175 後悔の連続 ページ25
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その後、車力の巨人とマガトとかいう男と交渉をした。
どうやらこいつらと俺らの目的、エレンのクソ野郎と獣を殺してぇという意見は一致しているらしく、お互い行動を共にすることになった。
「…車力」
「う、ん…？」
「…色の白い、風変りな女を見てねぇか？」
「エルディア人の顔までは…さすがに、わかりませんね」
「…そうか」
それだけ確認して、俺は目を閉じる。
もう、この身体もまともに動かねぇ。
こんな状態で会うくらいなら、もういっそ…全部忘れて、なかったことにして…
そんな考えがよぎる。
それと同時に、まだ…あいつと一緒にいてぇと、あれだけ一緒にいたくせに、後悔ばかりが残って。
毎回そうだ。
あいつのことはもうきっと何だって知ってるだろう。
どんな時に喜び、どんな時に悲しみ、どんな時に悩み、それが、俺からしたらくだらねぇことでも、あのガキからしたら大層なことだということも。
沢山の我慢の日々だっただろう。
同期と一緒にいる時間もまともに取れず、否が応にも大人たちに付いてこねぇといけなくて。
それが人類最強の兵士長で、てめぇに背負わせた荷はさぞ大きかったことだろう。
それでも、その荷がまるで空気と見間違うくれぇには、お前はよく俺に尽くしてくれていた。
いつも、いつも、気づけば傍にいて、そして…ふとした瞬間に、てめぇはそうやって…
死に場所を選ぶ猫みてぇに、姿を消すんだ。
今回も…どうせそうなんだろ？
さっさと出て来いよ、その腑抜けたいつもの声で、俺の名前でも呼びやがれ…
…そういや、名前で呼ばれたことなんて、ただの一度も…なかったな。
ほら、またそうだ、そうやって後悔が募っていく。
どんどん、塵みてぇなくだらねぇものが積み重なっていく。
塵も積もればなんとやら…昔の偉人とやらは、クソみてぇに簡単にくたばるくせに、変な的を射た言葉だけ残して逝きやがる。
お前もそうやって死んでいくのか…？
俺に、こんな後悔を背負わせたまま死んでいくのか…？
後悔してるのは…何も、俺だけってことは…ねぇんだろうな――
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作者名：妄想侍 | 作成日時：2023年10月5日 16時
