Episode.174 行方不明 ページ24
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side：Levi
傷を、縫われる感覚。
クソいてぇ…なんだこれ。
何となく、意識は…あるんだか、ないんだか…ハンジの独り言がさっきから聞こえる。
…あいつは？
俺はまた、獣を仕留め損ね、また…あいつのことも、失ったのか…？
今度こそ…本当に？
その瞬間、頭の中に声が聞こえた。
エレンの野郎の声のようだった。
よくわかんねぇ景色のそこから、声が終わるとともに現実へと引き戻される。
身体に力を入れる。
クソっ思うように…全く動かねぇ…
「獣は…」
「…ジークは街へ向かったよ、もう半日以上前のことだ」
「…あいつは」
「え？」
「…？」
その反応は、正直…意外なもんだった。
普通は暗い顔をするとか、明るい顔をするとか…少なくともんな、驚いた顔は予想外だった。
こいつが、俺を運んだのだとすれば、あいつのことだってどこかしらでは見てるはずだと…思ったんだが。
「…そうか、たしかに…貴方のことで精一杯だったけど彼女はまだ未成年だし…」
「…ワインは、飲んでねぇ…俺は確かに…あいつと獣と一緒にいた。そのあと…吹き飛んだんだ」
「…Aは、見てない…けど、それらしき死体も…見ていないんだ」
「……期待は、しねぇ方がいいんだろうな」
「ど、うだろう…貴方の判断力でもこのありさまだからな」
「いや、俺はあいつを…確かに、投げた、俺より…先に、馬車の外に」
「馬車の破片も、馬の死骸も確かにあったんだけど…でも、彼女が貴方を先に見つけていれば絶対に助けていただろうし…」
「なら、あいつは…どこに行った？」
一末の不安がよぎる、あいつは…確かにAを気に入ってる様子だった…が、あいつの身体でAを運ぶことは…いや
そうだ、だとしたらあいつの行方を知ってるハンジが知っててもおかしくねぇ話で…だとしたらあいつは
本当に…どこへ？
俺の知らねぇところでくたばったか、それとも…あの時みてぇに…
俺は、お前を信じてる。
いつも突飛な行動しかしねぇが、その突飛な行動に俺はいつもなんだかんだ助けられてきた、それに
その突飛な行動のおかげで、てめぇは毎回生き延びてきた…そうだったよな？
だから今回も…きっと、そうなんだろ？
なあ…A
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作者名：妄想侍 | 作成日時：2023年10月5日 16時
