Episode.163 海の幸 ページ13
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「兵長〜ご飯貰ってきました、食べますか？」
「…俺はいい」
「まだ意地張ってるんです？ 今のところ何の害もないわけですし、きっと大丈夫ですよ？」
「…今のところはな」
「まあ…無理に食べろとは言いませんけど…あ、食べさせてほしいみたいなアレですか？」
「馬鹿なこと言ってんじゃねぇよ…」
「はい、口開けてください、ほら！」
「食わねぇってのが聞こえなか…っんぐ、」
無理やり兵長の口に料理をねじ込む。
明らかに不機嫌な兵長だったが、さすがに口の中の物を出す…という選択肢はないようで、渋々飲み込んでいた。
兵長は、思っていたよりは悪くなかったらしく、他の料理にも興味を示していた。
「じゃあ、これあげます。まだ残ってるか聞いてきますね」
「…ああ」
そう言ってニコロさんの元へ向かう。
「ニコロさーん、料理ってまだ余ってたりしますか？」
「え？ ああ、ありますよ、でも…さっき持って行ったんじゃ…？」
「やっと、兵長が料理に口を付ける気になったようでして…」
「ああ、なるほど…やっと、信用してもらえたのかな」
「うーん、どうでしょう。兵長警戒心強いので…」
すると、テーブルの淵からサシャがばっと顔を覗かせる。
「兵長もやっと食の有難みに気づいたようですね！」
「ねー遅いよね」
「だからあんな小せぇんですよ」
「いやぁ、もう兵長の年じゃ伸びないよ〜」
「食をないがしろにした罰ですよ！」
「そういうもんかね」
「そういうものです！ 食欲は三大欲求のひとつですよ！」
「いや、食欲はあると思うよ…？ こだわりがないだけで…」
「どうせ栄養のない食事ばっかり摂ってたんですよ」
「…たしかに、お肉とか食べてるイメージはあんまないかも」
「肉こそ栄養の塊なんですから！」
「まあ、そうだね…ニコロさんこの海の幸とやらにも栄養ってあったりするんです？」
「もちろん！ 栄養満点ですよ！」
「魚には肉よりもタンパク質が多く含まれているので、兵長のように筋肉をつけるタイプの方にはおすすめですよ」
「タンパク質…ですか、え、それって…発育とかにも関係したりしますか…？」
「発育…ええ、一番は大豆製品が良いそうですが、魚でも十分に賄えるかと！」
「なるほどぉ…」
「はい、どうぞ」
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作者名：妄想侍 | 作成日時：2023年10月5日 16時
