Episode.161 大きな犠牲 ページ11
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「あとはエレンの野郎の回収か…向こうを見に行くぞ」
「獣…見張ってなくて大丈夫ですか？」
「その様子じゃ、しばらくは動けねぇだろ。２人にしとく方が不安が残る」
「了解です」
兵長に言われるまま部屋を後にする。
そして久々に見たエレンの顔は…なんだかとても、腐っていた。
兵長も同じ気持ちだったようで、地下街で見たそれと同じ顔をしていると言い放っていた。
それだけ言って、兵長はまた部屋へと戻る。
兵長なりに心配していたのだろう。
勝手な行動をしたと言っても、エレンはあの最初のリヴァイ班の時からの生き残りに他ならない。
情の厚い兵長ならば、一層入れ込んでいても何ら不思議はないと思った。
その後、エレンも合流し、久々の会話が交わされる。
兵長は相も変わらず憎まれ口を叩いているが、それに負けないくらいジークも口が達者だった。
バンっと扉が開く。
そこには２人の見慣れない子供がいて、ジャンは…
「こいつらが乗り込んできて、サシャが…撃たれた」
血の気が引いた。
それはその場に居合わせたアルミンとミカサも同じで…慌てて部屋を飛び出す。
そこには、信じられない光景が広がっており、床に倒れたサシャ、散らばった血…意識はもう、殆ど残ってなくて。
思わず駆け寄るが、もう…助からないことは、明白だった。
サシャの手を握る。
一瞬その手が握り返され、そのまま…サシャは…虹の橋を渡った。
マーレの犠牲、サシャの犠牲、その元に成り立った作戦は…またも無事とは呼べない形で幕を閉じ、私たちはパラディ島へ帰還した――
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作者名：妄想侍 | 作成日時：2023年10月5日 16時
