Episode.149 何もかも ページ49
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何もかも失った。
あれから、俺は獣の討伐に失敗し、その後黒焦げになったアルミンと、重傷を負ったエルヴィンと…究極の選択を迫られた後。
あいつの言葉がよぎった。
エルヴィンは、夢を諦めて死んだ。
それなら…ここで、生き返らせたら、また…こいつは、この地獄のような世界で悪魔になっちまう。
俺は、手に持った注射を…アルミンに打った。
アルミンが超大型の力を手にし、エルヴィンは安らかに息を引き取った。
あいつの…最後も、これだけ安らかだったか…？
ちげぇよな、あの時のあいつらの顔を見たら…それが、どれだけ怖かったか、生きたまま死に立ち向かうというのが、どれほどのことか…
壁外を見下ろす。
建物なんてもう、どこにも残ってなくて、戦死した兵士と、馬が至る所に倒れていた。
皆もう顔もわからねぇような死体ばかりで…あいつがどれかなんて、もう――
「リヴァイ…その…」
「………………」
なあ、俺は…これからどうすればいい？
エルヴィンもお前もいなくなったこの地獄に、何を見出せばいい？
何のために…生きていけばいい？
俺は…やはり、人類最強の兵士として飛び回るだけの人生で、最期を迎えるしかないようだ。
短い夢だった。
出来れば永遠に見ていたいような。
後悔…なんて、山ほどあって。
俺はてめぇに何をしてやった？
傍にいることを望んだお前は、自ら俺の元を去った。
それは俺のためだろ。
てめぇのためじゃねぇ。
いつもそうだ。
てめぇは人のことばかり考えやがるくせに、一番大事な時には…俺から、離れていく。
――もういっそ、ここから身でも投げてしまおうか
「へ、兵長！！」
「……なんだ」
「ちょっと、こちらへ…！」
急に現実に呼び戻される。
仕方なくジャンの後へ続き壁を歩く。
もう、うんざりなんだ、なにもかも…今くらい、少しは…
そこに、いたのは…
思わず駆け出し、飛びつく。
「兵長！？」
ここが壁の上だとか、そんなこと何も考えられねぇくらい、俺は今…てめぇに溺れていたいんだよ。
「ぎゃーーーーーーー」
相変わらず色気のかけらもねぇ声だが、それでいい。
お前は…それでいい。
急降下する中、体制を入れ替えアンカーを壁に刺した。
背中に回った非力な腕が
温もりが
心臓の音が…
俺を…――
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妄想侍(プロフ) - マナさん» コメントありがとうございます！本日更新のお話を読んで頂けますと幸いです…！引き続き楽しんで頂けるよう頑張ります！ (10月4日 17時) (
レス) id: 04ac1c6370 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 夢主（主人公）は死なずに生きてますでしょうか？ (10月4日 6時) (レス) @page48 id: 98daa3d62c (このIDを非表示/違反報告)
妄想侍(プロフ) - ああさん» コメントありがとうございます！最近更新時間まばらですみません汗。一応ラストまで構想は出来てるので、最後まで更新頑張ります〜！ (10月3日 17時) (レス) id: 04ac1c6370 (このIDを非表示/違反報告)
ああ - 更新してくださったのですね！ありがとうございます、、嬉しいばかりです。私この作品が大好きなので更新これからもよろしくおねがいします (10月2日 22時) (レス) @page47 id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
妄想侍(プロフ) - さやさん» コメントありがとうございます！わ〜すごく励みになります…！今後も更新頑張ります！ (9月20日 17時) (レス) id: 04ac1c6370 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：妄想侍 | 作成日時：2023年9月2日 16時
