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登校※ ページ5



※は実里目線


いつも通り教室に入り、自分の席に向かう。



別に普段と変わらない行動。



いつもと違うといえば隣の席を見たこと、確かに席が1つ増えていて男の子が座っていた。



昨日話をした子だ…。



でも、他の子と話していたため挨拶はしないで席に着く。



………一瞬目があったような気がした。



私は鞄から本を1つ取り出して読み始めた。




本は好き。独特の世界観で読者を魅了してくれる。


心が熱くなり、時には涙を流す。


普段何気ないような風景、行動でも文字で巧妙に表現することによって大いなるものとなる。


そうやって物語が進むから、ページを捲る手が止まらない。





はずなのに…。



今日は読んでも読んでも内容が頭に入ってこない。



この本は好きな物語の続きで最近新しく発売された本。



発売前から楽しみにしていたのに…。



理由は何となくわかっている。



隣にいるこの人のせいだ…。



隣がうるさいんじゃない、先生は来ていないし授業中でもないから多少雑音があるのは仕方がない。本を読んでたらそんなの気にならないし。



本に集中できない理由は昨日、彼の名前を聞けなかったから。



気になることがあると分かるまで気がすまない、そういう性格。



普段は気になることがあっても本で調べればすぐに出てくる。



だけど人の名前、しかも昨日転校してきた人の名前なんて本や学校の名簿とかに書かれているハズもなく昨日からモヤモヤがおさまらない。



私は1つのため息をついた。

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作者名:シヲリ | 作成日時:2015年2月18日 11時

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