［完］もう二度と会いたくなかった3【佐野万次郎】

おめでとう ページ44

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万次郎の席は何故か私の隣になっていて、そちらに向かえばエマとドラケンくんもいて、どうやら同じテーブルらしい。

その隣には、恐らく黒川イザナだろう。ハーフの様な顔立ちをした白髪の男性がいた。



「「！」」



エマとドラケンくんは驚いた顔で私たちを見ていた。

それもそう、万次郎はずっと私の手を絡めて離さなかったから。



「…やっと、戻って来たな」


「っ…よかった」



エマは涙を流し、そんなエマをドラケンくんが肩を引き寄せ、彼女の目にハンカチを持って涙を拭ってあげていた。

素敵な2人だと思った。



「ソイツが万次郎がずっと言ってた女？」



つまらなそうにこっちを見てそう言ってくる男の人。



「ニィ！そいつじゃなくて千原A！！何回も言ってるじゃん！」


「チハラってなんか覚えらんねーよ」



皆から話しは聞いていたが、さっきよりも近くで見ると美しくもあるがその対照的な肌の色と髪色に一層目を引かれる。



『初めまして。千原Aです』


「…黒川イザナ」


「ニィ態度悪〜」


「うるせーぞ、エマ」



微笑ましい兄弟喧嘩が始まり、それを眺めていると「A、タケミチのとこ行こ」と万次郎に声をかけられる。



『あ、うん…』



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