［完］もう二度と会いたくなかった【佐野万次郎】

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『ねーねー、しんいちろーって彼女いるの？』


「「「「え」」」」


「おーい、困ってんぞ」



学校が終わってスクールバッグを家にポイッて投げて、今日も今日とてしんいちろーのバイク屋さんに入り浸って、しんいちろーの後ろ姿を見続ける。

しんいちろーは依頼が溜まってるから最近は忙しいそう。

なんか暇だっからずっと聞いてみたかったことを取り巻きの人に聞いてみる。そしたらすっごい困った顔された。



『せーしゅーくん知ってる？』


「え…」


『しんいちろーに彼女いる？』


「いや、ちょっと…」



この子は乾青宗くん。歳は一個上だけど、仲が良いの。

額にある火傷の跡も気にならないくらい、お顔がとても綺麗。しんいちろーに憧れているらしくて、私同様ずっとしんいちろーのお店に出入りしている。

せーしゅーくんは優しいから絶対教えてくれるって思って詰め寄るけど反応なし。むしろもっと困らせちゃった。



「そういうのは本人に聞けよー？」


『じゃあいる？ちゃんと答えなきゃ嫌だ』


「残念、いる」



「しんいちろーのバカ」って言ってお店を出た。



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