第80話 ■■県■■市(旧■■村) ページ6
夏油side.
2007年9月
■■県■■市(旧■■村)
任務概要
村落内での神隠し、変死。
その原因と思われる呪霊の祓除。
術師というマラソンゲーム。
その果てにあるのが仲間の屍の山だとしたら？
Aが死んでから2週間以上経った。
その結果はどうか？
あの子はただ私の隣で笑っていてくれれば良かった。
もう解剖されてしまったのだろうか。
どす黒い感情を抱きながら任務へやって来た。
「これは何ですか？」
双子の女の子が、痛々しい程傷だらけで牢屋に入れられていた。
その瞬間、私の脳裏に過ぎるのは、初めて会った時のAの姿。
暴力、暴言を浴びさせられないか人に怯える目。
この子達の目はAと一緒だった。
「…。」
この猿達は何か言ってるようだった。
ああ、何も聞こえない。
猿の言葉が理解出来ない。
かろうじて聞こえたのは、
この子達が不思議な力で襲うんだ、と。
…やはりこんな奴等の為に身を削るなど間違っている。
私の最愛。私の全て。
こんな世界、私が変えてやる。
双子「「！」」
呪霊「だ…だい‥ダイジョウブ。」
指から呪霊を出して、双子に伝える。
「皆さん、一旦外に出ましょうか。」
外に出て、こいつらを殺そうとした。
そう、したんだ。
「な…なぜ、ここに…。」
キミがいるんだ。
キミは死んだはずだろう。
両鬼「すぐる。」
「生きて、いたのか…？」
両鬼「回生起死でなんとかね。」
「ふっ‥はははっ‥‥。」
嬉しさの反面、絶望した。
こんな私をキミには見られたくなかった。
両鬼「まだ、間に合う。その呪霊達しまって。」
「…もう無理だ。」
両鬼「ううん、間に合う。まだ誰も殺してない。」
「いいや遅いさ、私の気持ちは変わらない。」
だって、キミが一度でも死んだという事実はなくなりはしない。
「‥嫌いになったかい？」
両鬼「ならないよ。」
「！‥な、ぜ…？」
両鬼「今やろうとしてることも元を辿れば、私達術師の為、だよね？すぐるは優しすぎで真面目過ぎるから。私達をこれ以上苦しませたくないから実行しようとしてる。でもそれは私達を突き放してでもやりたいことなの？私は突き放してほしくない。辛いなら辛い。苦しいなら苦しい。疲れたなら疲れたって言ってほしい。私はただ隣ですぐるが笑っていてくれれば何もいらないよ。」
その言葉はまさしく、善人そのものだった。
縋りたくなった。
だが私のプライドがそれを許さない。
第81話 殺意が湧く程の愛、これもまた愛情。→←第79話 いざキミの元へ
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莉乃(プロフ) - すごく面白いです〜！！もう、大好きです❤️♥️❤️ (2022年3月6日 9時) (
レス) id: d96deb1772 (このIDを非表示/違反報告)
＃きのこ - 更新頑張ってください('ω')ノ 応援しています。(≧▽≦) (2021年9月24日 8時) (レス) @page34 id: 9d10c1eb18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソフィナ | 作成日時：2021年4月25日 18時
