719. チキンな私 ページ19
.
パタンと閉じた玄関のドア。
『ところでさぁ…』
「はい？」
振り向いて翔ちゃんを見ると
いつものパッチリとした目を
若干、細めて私を見下ろしてる。
「ゔぅ！？」
ヤバい！
この目は、翔ちゃんが不機嫌な時だよ…
『いつのまにか、Aも俺に隠しゴトできるようになったんだぁ』
ニコッと笑った顔は
天使のような微笑みを浮かべてるけど
悪魔みたいな笑顔。
「隠すとか、そんなつもりは…なくて…
えーと…あのぅ…きちんと…泳げるようになってから報告するつもりで…」
『ふーん…事後報告ってやつね』
別に、悪いコトしたつもりはないんだけど…
イヤ…隠していたってことは、悪いコトか？
自問自答しながら
翔ちゃんの目を見れないチキンな私。
『…で？木曜日にスポーツジム行ってるんだ？』
「…それと、月曜日…に」
『は…？週に二回も修に泳ぎ習ってんの？』
「あ、いや…月曜日は初心者コースを
受けたあと、修くんには、ほんの少しだけ…」
『月曜日は、俺の帰りが遅いから
修とプールで遊んでるわけ？』
「そ、そんなつもりじゃなくて
大人の初心者コースは、月曜日だけで…」
翔ちゃんの襟元の辺りばかりを
見ていた視線を…
ちょっとだけ上の方へ向けると
目を細めたまま私を睨んでいる。
やっぱり、怖いよーー！
こんなことになるなら
秘密にしなきゃ良かったーー！
『…で、泳ぐ時って、水着に着替えて泳ぐんだよな？』
「う、うん」
『修の前で毎回水着で泳いでるの？』
「も、もちろん…そう、です…けど…」
『一応聞くけど、ビキニじゃねーよな？』
「ま、まさか、そんなビキニなんて！
普通に地味なのを着て…ます」
『地味だけど、胸元は見えるヤツな。
胸元のキスマークが見えるヤツな。』
あんな場所に付けられたら
そりゃあ、どんな水着を着ても見えるよ…
『…なんか、文句ありそうな顔してんな？』
「そんなことありません」
『本当かよ？』
「本当です」
さっきから自分の口調が
です、ます、調に変わって
先生に叱られてる生徒みたいになってる
……なんて考えていたら
狭い玄関の壁に突然押し付けられ
「んっ！」
私の発した声に
一瞬、意地悪な視線を向けたあと
「しょ！ん…、っ！！」
翔ちゃんがいきなり
息が苦しくなるほどのキスをしてきた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1812人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミイ
| 作成日時：2015年8月27日 23時
