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ー Shoサイド
俺が、ドライヤーをかけてるとその後ろでAが髪をバレッタでひとまとめにしようとしてる。
『ほら、髪、乾かしてやるからおいで？』
「え、いいよ」
『ダメだって、髪濡れたままだと風邪引くって』
Aを無理やり、俺の前に立たせてドライヤーの温風を髪にあてた。
「翔ちゃんって、優しいよね？」
『そう？』
「うん、すごく優しい」
『やっぱり、女の子には優しくしなきゃ…ね』
「それって、どんな女の子に対しても？」
『うん、だってほら、女の子って男に比べたら弱いし』
「ふーん…そうなんだ」
鏡越しに目が合った彼女は、なんか不満そうに口を尖らせた。
『え、どうしたの(笑)』
「翔ちゃんは、女の子みんなに優しいもんね…」
『まぁ、一応…そうかな』
「だから、みんなに好かれるんだよね…」
彼女の口調が、急にトーンダウンして聞こえた。
これ、絶対俺に対して、
ヤキモチ妬いてるよなぁ……
俺が、その辺の女の子みんなに優しくする…とか思ってるでしょう。
ああ…、別にAにヤキモチ妬かれるのは、悪い気しないんだけど、
でも勘違いされたくないとこだからなぁ…。
『A？』
「……」
ちらっとだけ、鏡越しに目を合わせてまたすぐに視線をズラすから、俺はドライヤーのスイッチを切った。
『Aちゃん？(笑)』
「…、」
『ほら、ちゃんと俺を見てよ』
Aを俺の方に向かせ、彼女の頬を両手ではさんで俺と視線を合わせるようにした。
『ね、A』
「…う、ん」
『オレが、一番優しくしたい人って、
誰だか知ってる？』
「……たぶん」
『誰だと思う？』
「…私…？」
『そこ、疑問形で聞くなよ、
Aしかいねーじゃん(笑)』
「う、うん…」
『俺がAを好きだって、ちゃんと分かってる？』
そう言いながらAを見ると、彼女の表情が柔らかくなった。
『俺、どんな女の子にも優しくは接するけど、こんなことまではしないよ(笑)』
「しょ、」
彼女が何か言う前に、俺は彼女の唇を塞いだ。
いい雰囲気になって、彼女のワンピースのスカートに手を忍び込ませようとした時。
「そうだっ！布団も畳まなきゃ！」
そう言って、彼女は俺の手元からすり抜けた。
なんだよ、それ！
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作者名：ミイ
| 作成日時：2015年6月18日 0時
