ざわつく胸 ページ39
.
『……どう？』
翔ちゃんが、きゅ、とコックを捻り
シャワーを止めた。
冷えた脚に、翔ちゃんの指先が触れて
その熱にぴくりと肩が震えた。
「だ、いじょうぶ」
『火傷の痕、残らないと良いけど…』
ゆっくり、と。確認するように
私の脚にすべりおちる指先…
脚の火傷の痕なんかどうでもいいよ。
それよりも、翔ちゃんは
サキさんとヨリを戻したいんじゃないの？
そんな可愛くないことを考える自分がイヤで
顔をしかめた私を見て
翔ちゃんが心配そうに聞いてきた。
『痛い？』
「あ…、いや、違う…」
うつむいたら髪からぽたりと滴が落ちて、
なんか無性に泣きたくなった。
『他にお湯掛かったところはない？』
「うん…」
優しくされるとされただけ
泣きたくなるのは、どうしてだろう…。
『待ってて、タオルとってくる』
「…ありがとう」
翔ちゃんはあたしの言葉に頷くと
バスルームを出て、また戻ってきた。
『……A』
溜め息交じりに私の名前を呼んだ彼が
しゃがみこんでバスタブの中の私と
目線を合わせた。
伸ばされた腕がタオルの上から私の髪を拭く。
『びっくりさせるなよ…』
「…ごめん、なさい」
びっくりしたのは、私の方だよ…
『あー…、ごめん、そんな顔するなって』
そんな顔って
私、どんな顔をしてるんだろう…
そうは思っても、口には出せない。
だって、何か言葉にしてしまったら
きっと…私はメッセージカードのことを
翔ちゃんに言ってしまう。
あのアロマキャンドルは
サキさんからのプレゼントなんでしょ？
翔ちゃんはサキさんからのプレゼントに
癒されてるんでしょ？
きっと、そんなふうに彼を責めてしまう…。
乱れた私の前髪を、
そっとはらう翔ちゃん。
クリアになった視界にうつった
翔ちゃんの髪は、
私同様に濡れていて
私も翔ちゃんの前髪にそっと触れると
また、胸がざわついて泣きたくなった…。
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あい(プロフ) - 読めました^ ^ありがとうございます☆ハラハラ、ドキドキの展開です！また更新楽しみにしてますね！！ (2014年9月11日 8時) (
レス) id: c84aae0476 (このIDを非表示/違反報告)
ミイ(プロフ) - あいさん» あいさんこんばんは♪たぶん、今頃はもう読めたとは思うんですが…私も新章立ち上げた途端自分の作品を読めない状態で焦りまくりました(笑)。きっと、私の操作ミスですかね…すっかりこんな簡単な作業(？)もアタフタする私ですが、これからもよろしくお願いします♪ (2014年9月11日 0時) (レス) id: 9edb8f6016 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - こんばんは。いつも本当に楽しみにしてます☆更新のお知らせだったので、待ってましたとばかり読ませてもらおうとしたのですが、どうも次に行けないのですが、何か見方変わりました？ (2014年9月9日 23時) (レス) id: c84aae0476 (このIDを非表示/違反報告)
ミイ(プロフ) - チェリーさん» チェリーちゃんこんにちは♪ これからの展開…きっとハラハラドキドキですよ(笑)サキさんにもしっかりと活躍してもらうつもりだから、また次の章も遊びに来てくださいね♪♪ (2014年9月8日 15時) (レス) id: 9edb8f6016 (このIDを非表示/違反報告)
ミイ(プロフ) - さくらさん» さくらさんこんにちは♪ 翔担の人は彼女が嫌いですよ…きっと(笑)。私もどんな時でも彼女がCMに出ると…「嫌い」とか言っちゃってるからね(笑)ここまで世の中の女性に嫌われてる彼女はある意味すごいなぁ…って尊敬しながらもやっぱりイヤだ…って思っちゃうよ (2014年9月8日 15時) (レス) id: 9edb8f6016 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミイ
| 作成日時：2014年7月11日 23時
