お風呂上がり ページ4
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結局、お風呂の中で
翔ちゃんといっぱい愛しあって
いつもよりもすごく長いお風呂になってしまった。
『A、ビール冷えてる？』
「うん、ちょっと待ってね、持って来るから」
立ち上がろうとしたした時、
何か違和感を感じた。
「あ、れ……、」
目の前が、見えなくなった。
真っ暗なのか、真っ白なのか、
それさえもよく分からない。
足元には
ふかふかのラグがあるはず、なの、に―…。
『A…！』
かくん、と。折れたひざ。
私の体を支える翔ちゃんの腕。
頭がサア、と冷たくなるみたいな感覚の後に
視界は段々とクリアになってくる。
『ちょっ、A？大丈夫か？』
「ごめん、大丈夫、
逆上せただけだから…(笑)」
『動かないで？ほら、横になって』
翔ちゃんがソファーに私を横にしてくれた。
『えーっと、こうゆう時には人工呼吸…
じゃなくて』
「…お水が飲みたい(笑)」
『よし、ちょっと待ってろ』
いつも冷静な翔ちゃんが
アタフタしている様子に申し訳ないと思いつつ
ちょっとだけ笑いが込み上げてくる。
『ほら、飲んで？』
私の背中を支えて起こしながら
冷たいペットボトルを渡してくれた。
『もう少し飲んで』
「うん、」
私がお水を飲んでいる間も
心配そうにしながらうちわであおいでくれた。
「…翔ちゃん、ありがとう。
もう大丈夫だから」
『ごめん…俺がちょっと頑張り過ぎた(笑)』
「違う、違うよ？」
私が翔ちゃんに
赤ちゃんの話しに触れて欲しくなくて
ごまかしただけ…。
「翔ちゃん、ごめんね？」
『何でAが謝るの(笑)』
「私…」
ちゃんと話そうと思って起きあがった。
『あ、そうか…髪乾かさなきゃ寝れないか』
「え？あっ、ちがっ」
『立ち上がるなよ？
今ドライヤー持って来るから』
翔ちゃんは優しく笑いながら私の髪を撫でると
ドライヤーとヘアーブラシを取って来て
『ほら、髪乾かしてやるから
起きないで寝てろよ？』
「…翔、ちゃん」
『いいから、横になってろって』
ちゃんと言わなきゃ…と思いながら
ドライヤーの音が邪魔して
なかなか言葉が出ない。
『熱かったら、言ってくださいねぇ〜』
「誰の真似？(笑)」
『担当の美容師さん(笑)』
翔ちゃんの指が
私の髪を触る感覚が気持ちよくて
自然とまぶたが閉じてきて…
私はベッドに運ばれたことさえも
気づかなかった。
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作者名：ミイ
| 作成日時：2013年12月9日 15時
