43本目 ページ46
それから、それから。
合宿はついに最終日を迎えた。私たちの目の前には大量のお肉や野菜。
先生たちのご好意でバーベキューをしてくれたらしいのだ。
猫又監督の「おつかれさん!!」の一言が言い終わると、いっせいに男子高校生たちが肉に食らいついとった、1部を覗いて。
「ほら、鷹刀ちゃん。長濱ちゃんも」
「あざっす」
「すまんせん、先輩に焼いてもろとるの悪いですよね…?」
「いいっていいって!!」
まあ、私も食らいつきに行った側の人なんやけどな。今は壁に囲まれつつ肉を夜久さんに焼いてもらっとる。美味けりゃなんでもええんよ。
「いやー……鷹刀ちゃんと長濱ちゃんめちゃめちゃ食うじゃん。黙ってるとやっぱ女子って感じするんだけど」
「あの二人は黙ってりゃ美人か可愛いの部類には入る顔してっからな〜」
黒尾さんと夜久さんがなんか言うとるけど…肉の方が大事やから聞かんかったことにしよ。
皿を見るとすっかり肉がなくなっとったから、そこらの肉をかっさらってメガネ君のところに向かった。
_____
バーベキューが終われもうお別れの時間。兵庫は遠いわけじゃないんやけど、電車の都合でちよっと早めにここを出ることになっとった。
帰る前に他校では一番絡んだであろう後輩の元へ足を運ぶ。
「やっほ〜、元気しとるか?」
「元気に見えます?てか、僕の名前メガネ君じゃ無いです」
「……あんたの名前は忘れた。つか知らん、ツッキーやったっけ?」
「はぁ…」
メガネ君基、ツッキーが盛大にため息をつく。可愛くないで。
「月島蛍、です。覚えといてください」
不服なんか単に不機嫌なんか、よく分からん表情のまま親切に自分の名前を教えてくれた。
ほう、月島蛍か…頑張って覚えよ。
「頑張って覚えるわ。じゃあな蛍君」
「…はい。また」
不機嫌そうな顔がちよっと優しい顔つきになってうちの手をぎゅっと握る。でもそれはほんの一瞬の話。……なんやったんやろ。
不思議な気持ちを抱えたままバスに乗り込んだ。
今はそんなことを考え撮る暇なんかない。
この後私を待つのは、ユースの合宿に春高予選と春高や。
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ゆお - こんなんめっっっっっっちゃ好きです 続きずっと待てます!!! (2020年5月19日 21時) (レス) id: 91fe275b3e (このIDを非表示/違反報告)
痩せたい - うわああああ好きですううううううううう (2020年5月2日 22時) (レス) id: 071f62e8cb (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - 侑がめっちゃいい人に見えてくる (2020年4月30日 11時) (レス) id: 761bd8fac4 (このIDを非表示/違反報告)
とーすと(プロフ) - イチゴいちさん» そんな雰囲気が出ておりましたか……!!ありがとうございます。 (2020年4月17日 13時) (レス) id: 925e833cc0 (このIDを非表示/違反報告)
とーすと(プロフ) - ヒマナッツさん» ありがとうございます〜!!ご期待に添えるよう頑張ります。 (2020年4月17日 13時) (レス) id: 925e833cc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とーすと | 作成日時:2020年4月9日 22時