俺はモテたいです！！！【男主】

モテない俺の10日目 ページ11

「やぁ！A！迎えに来たよ！」

『帰れ。』

なんで、仕事終わりの最悪な気分の中こいつが迎えに来るんだよ！！人選下手くそか！？

「えぇー？帰っていいのかなぁ？私が帰ったらもれなく君は徒歩帰りになるけど？」

『くそ、てめぇ！！』

どうせならお前が徒歩で帰れよ！俺は疲れてんの！心も体もヘトヘトなの！？分かる！？

『というか仕事はどうしたんだよ。』

「残念。全部終わって今は何の予定も無いんだよ。」

『暇人め。』

本当に帰ってくれ、もう徒歩でもいいから、こいつと離れるなら兎跳びで帰ってもいいからっ！

「まぁまぁ。私だって何の理由も無しに来た訳じゃ無いよ。君をある場所に連れて行きたくてね。」

『…本当にそれだけか？』

「いや？君のターゲットが女性だったと聞いて弄ってやろうと思って。」

『よし、帰るわ車まわせー。』

「やだなぁ！冗談だよ！こんなジョークも通じないからモテないんだよ？」

『うるせぇ！それは関係ねぇだろ！！』

運転手ぅ！！こいつを勢いよく轢いてくれ！！お願いだから！何なら多額の報酬も出すから！！

「話が脱線したけど、着いて来てくれるかい？A。」

『脱線させたのはお前だけどな。まぁ、行くだけなら構わねぇけど、何もしねぇぞ？』

それでいいのか上機嫌に車の後部座席に飛び乗る太宰。さっさと乗れってか。

溜め息を吐きながら俺は太宰の横に座った。

「そういえばA。君のターゲットの女性の話だけどね。」

車内から外の景色を眺めていると、急に太宰が話しかけてきた。

『……何だよ。』

「ドンマイ！！」

『くっそ腹立つ！！！！』

とても良い笑顔で煽ってくる太宰を本気で窓から投げ捨ててやろうかと思った瞬間だった。

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