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貴公子な彼氏_s ページ12

休み時間になれば
毎回廊下に女子達が集まって
みんなキャーキャーとはしゃいでる







廊下を通り過ぎる時
見たくなくても
自然と視界に入り込む見なれた風景







それなのに私は
いつも横目で彼を見てしまうんだ






遠目からでも彼の周りには
キラキラしたオーラーがあって





いつも綺麗な歯を見せながら
すっごく楽しそうにしている








通り過ぎる瞬間に
チラッと盗み見ると
私を見つけて
私に手を軽く上げて合図する






なのに私は恥ずかしくって
胸に抱いた教科書に力を込めて
俯き早足で去る









教室を通り過ぎると
「ヒュー!!やるなぁ!!!」
って同じクラスメイトであろう
男の子達の声が後ろで聞こえる







そろそろ千賀くんと付き合って
3ヶ月くらいに差しかかろうとする








千賀くんは
すっごくモテるのに
シャイで緊張するとかで
滅多と女の子と話しているところは見ない




そうであって
走りも早くてクールなキャラだから
言わずもがなの人気者









私は勇気がなくていつも遠くから千賀くんを
見ている程度だったんだけど
ある日突然呼び出されて
千賀くんが頬を赤らめながら
真剣に気持ちを伝えてくれた









でも付き合ってるといっても
時々一緒に帰ったりする程度




あんまりお付き合いを
した事がない私には
距離感とかがあまりわかんない






自信もないし不安









そんなある日の帰り道
いつものバス停に
千賀くんがベンチに座って
足をぶらぶらさせていた






近づく足音に気づいたのか
顔を上げ私と目が合うと
「まいこおかえり」
って優しい笑顔で微笑んでくれた









「座って?」
って隣をあけてくれる









「まいこさ、
俺と付き合ってて楽しくない?」








地面に向かって話した千賀くんは
チラッと私を見た







「…そんな事ないよ。
でも私どうしたらいいかわからなくて…。
本当はほかの女の子達が羨ましいんだ。」









勇気を振り絞って
私も地面に向かって話す








「えっ。
そうなの?




って俺めちゃ焦ったんだけど!!
はぁ!!!
マジよかった!!」







急に元気になった千賀くんは
すごく嬉しそう








「誤解させてしまってごめんね?」








そう返すと
「ってもしかして
まいこヤキモチ焼いてくれてるって事?」





ってまた元気になる笑






コクッて頷くと
「俺今までで一番幸せな瞬間だわ!」



って私の手をギュッと握ってくれた

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作者名:きき | 作成日時:2019年2月1日 23時

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