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-Ryuji side-


そうだね。


君はそのままじゃいられなかったもんね…


ただ見返す事、あいつの視界に入ることに


縋って


張り詰めた糸の上で


必死に立っていた。







3年前、CMの撮影で初めて泪に会った。


『はじめまして』


ニコリと笑った泪。


でも、目の奥が笑ってなくて


なんだこいつって思ったのが第一印象。


現場でも雰囲気にも溶け込んで、楽しそうにするのに、


その仮面みたいに崩れない顔が怖かった。


でもカメラが回ると、コロコロ表情が変わって


一瞬で持ってかれた。





撮影が終わって挨拶を終わらせたらすぐにいなくなっちゃった泪


彼女がどうにも気になって探した。


彼女は屋上にいた。


ただ柵に捕まって立ってただけなのに、


ただ空を見上げているだけなのに、


そのまま飛んでいきそうな、消えそうな感じがして


腕を掴んで振り返らせた。


そこには、驚く程の無表情の泪がいた。


『あ、お疲れ様です今市さん。』


隆「お、お疲れ様。」


すぐに笑顔になって笑いかけてくる泪。


『どうかしました?』


隆「打ち上げやるけど、行かない?」


俺はそんな事を言いたかった訳じゃ…


『打ち上げ?楽しそうですね。』


隆「うん。だから…」


『お誘いありがとうございます。でも、今日はこれで失礼しますね』


隆「なんか予定あるの?」


『いえ、他の女性の方達と合いそうになくて。』


隆「やだ。」


『え?』


隆「一緒に行こう?」


俺は何を言ってるんだ?


こんな、自分よりも年下っぽい女の人捕まえて。


でも、何故かこの手を離したくなくて


打ち上げに行きたくないならと、2人でご飯に行った。








それから半年


何度も2人で出掛けるようになって、


俺の家に泊まったり、体を重ねたりするようになった頃、


目の秘密を、


彼女の秘密を知った。




まさか9歳も下だとは…


まだ19歳だと思わなかった。



あぁ、だからお酒飲まないでいたんだなぁ。とか


まさか俺が自分の事を好きだとは思ってもないんだろうな


と、ぼんやりと考えていた。




でも、


それでも、


もう俺は止まれなかった。





一生俺に振り向いてはくれないかもしれない。


それでもいい。


この関係でもいい。









いつか、君の


張り詰めた糸が切れてしまった時は


俺が支えてあげるから


俺の横で休ませてあげるから


今は、好きに動きな。



A…

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黒猫(プロフ) - マネージャーと書きたいのに、文字化けしてしまいます。何かいい方法があれば教えてください (2018年5月17日 15時) (レス) id: 8edd08b77f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:-Rui*- | 作成日時:2015年12月21日 10時

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