第137話【服部平次と吸血鬼館】 ページ49
姿を見せたと思ったらいきなり消えてしまった旦那様や大きな黒い鳥に殺人事件。
これだけでも頭がいっぱいいっぱいなのに、これらを一人で片付けなければならないと気付いた時にはもうどうしたらいいのかわからなくてだいぶ混乱していた。
こんなにたくさんの厄介事を一人で対処できるとは思えない。さらに不安が募ってきて、遺体の近くのイスに座り込んだ。
大滝さんに写真と現場の状況を送った後、無意識に電話帳を開いて「諸伏高明」の名前を探していた。
家を出る時には満タンだったはずの充電が、今は不安とプレッシャーによって空っぽになっている。少しでもいいから高明さんの声が聞きたい。
時間的にはもう家に帰っているはずだけど、特に理由もないのに電話したら迷惑だろうかとためらいつつも、画面の通話ボタンを押した。
諸「Aさん、どうかしたんですか?」
スマホの向こうから聞こえてくる高明さんの優しい声。今朝別れたばかりなのに、もう何年も会っていないかってくらい久しぶりに思える。
『……たかあきさん…』
高明さんの声を聞いたら、心に溜めていた何かが弾けたように涙が溢れ出した。
諸「Aさん、泣いているんですか?」
『…私、もう限界です…』
諸「えっ、限界?何かあったんですか?」
『死体が消えたり、心霊写真だったり、吸血鬼になったり、殺人事件まで起こって…もう一人で対処しきれない…』
諸「一人で?確か大阪府警の方も来る予定だったのでは?それから、現地の警察に連絡して来てもらったほうが…」
『無理なんです。館に来る唯一の道にあるトンネルが崩落して、警察が来られないんです…大阪府警の人も、群馬県警に行ったまま帰ってこられなくて…』
諸「誰か他に頼れる人はいないんですか?」
『大阪府警の人と一緒に来たコナンくんと平次君は館に残ってるけど、二人とも未成年だからやっぱり私がなんとかしないといけないと思って…』
諸「白眉の少年と大阪の高校生探偵もこれまで数多くの事件に遭遇しているでしょうから、彼らに任せても大丈夫ですよ。」
『でも、探偵だって言ってもまだ高校生ですから、たぶん皆さんは平次君の言うことを聞かないと思います。それに、大阪府警の人が館を出る時に、館と平次君たちのことを頼むって言われましたし…』
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おひたし(プロフ) - ちー子さん» コメントありがとうございます。説明が不足して申し訳ありません。パスワードは半角小文字で英単語6文字を入力していただければ開くと思うのですが、どうしても開かない場合はまたご連絡ください。 (2019年12月15日 7時) (レス) id: c5b0a8f944 (このIDを非表示/違反報告)
ちー子 - いつも楽しみに見てます。番外編のこと何ですがパスワードを入れても開かないですが、パスワードは入力の上のパスワードでいいんですよね。 (2019年12月15日 0時) (レス) id: e1506e4f67 (このIDを非表示/違反報告)
おひたし(プロフ) - かずささん» コメントありがとうございます!私も諸伏警部が大好きで、諸伏警部の作品が少ないのでこの話を書き始めたんです。楽しんでいただけて私としても嬉しいです!これからもよろしくお願いします!最近忙しいので、更新はもうしばらくお待ちください… (2019年11月28日 10時) (レス) id: c5b0a8f944 (このIDを非表示/違反報告)
かずさ(プロフ) - 諸伏警部大好きです!あまり諸伏警部落ちの作品がないのでこの作品を読めてとても嬉しいです!!更新されるのが楽しみです!応援しています!頑張ってください!!! (2019年11月27日 0時) (レス) id: 189adfe0dc (このIDを非表示/違反報告)
名無し65455号(プロフ) - おひたしさん» はい!これからも五月雨でよろしくお願いします! (2019年11月6日 19時) (レス) id: d7c3512a33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おひたし | 作成日時:2019年11月4日 14時