【名探偵コナン】諸伏家の嫁。３

番外編２―２【異次元の狙撃手】 ページ10

《諸伏side》

東都浅草病院に着いて、妹さんが入院している406号室の前まで来た。


Aさんによると、毛利さんの娘さんと鈴木財閥のご令嬢が見舞いに来ているらしいが、中からは子どもの声が聞こえる。


病室を間違えたかと思い、表札を確認するも、名前は「世良真純」と書かれていて間違ってはいない。


ノックをすると中の声が一瞬止み、しばらくしてから扉が開いた。開けてくれたのは小学生の女の子で、不思議そうに私を見上げている。


？「歩美ちゃん、どうしたんですか？」


カーテンで仕切られている向こう側からそばかすのある男の子が出てきて女の子に尋ねた。


？「Aお姉さんじゃなかった。お兄さん誰？」


諸「私は長野県警の者でして…」


？「長野県警の人がどうしてここに？」


蘭「二人とも何かあったの？」


男の子の後ろから毛利さんの娘さんが表れ、そして私を見て驚き声をあげた。


蘭「えっ、どうして諸伏警部が⁉A警部が来たと思ったんですけど…」


諸「Aさんは事件の捜査で忙しいようなので、代わりに妹さんの面倒を見てほしいと頼まれて来ました。」


蘭「そうだったんですか。あ、どうぞ中に入ってください。」


蘭さんに通されて中に入ると、中には高校生3人とさっきの小学生2人の他に子ども2人と老人が1人いた。


みんなAさんが来ると思っていたのか、私を見て驚いた顔をしている。


？「兄ちゃん誰だ？A姉ちゃんはどうしたんだよ？」


諸「長野県警で刑事をやっている諸伏高明と申します。Aさんは事件で忙しいそうでまだ来れないようです。」


？「あなた、Aさんとはどういう関係なの？長野県警がAさんの代わりにわざわざ来るなんて、普通に考えておかしいと思うけど。」


茶髪の女の子が鋭い目つきで私を睨みながら言った。この目つきは真純さんから睨まれた時と同じものだった。


蘭「諸伏警部はA警部と同じ長野県警捜査一課の同じ班で…」


世良「そしてA姉の愛しい恋人で…」


園子「そしてそして、Aさんの未来の旦那様なのよん！」


私が答える代わりに女子高生3人が顔をときめかせながら説明してくれた。


？「未来の旦那様ということは、この前Aお姉さんが話していた婚約者はお兄さんのことだったんですね⁉」


？「すごーい！歩美、ずっと会ってみたかったの！思った通りイケメンさんだー！」


世良「だろ？ボクもA姉とお似合いだなって思ってたんだ！」

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