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ベクちゃんおはよう、そう言おうとして隣の温もりを虚ろな目で探してみた。でも、そんな私の口から零れるはずだった極当たり前の恋人同士の朝の会話は出てこなかった。
そして次にすぐ目に入ったのは、また小さな紙切れ。急に仕事入った、ごめんね。私がベクちゃんの手の内にあるものだと分かったらすぐこうか。
『しょうもな･･･』
昨日のベクちゃんとの行為を思い出して、私はやっぱりベクちゃんが他の女がいるんだなあって改めて実感してしまった。
気持ちよくなかった、ベクちゃんのやり方は、私が気持ちよくなれる方法を忘れてた。
私に触れているはずの指先は、私じゃない女の気持ちいいところを探してた。
ベクちゃんは私の名前を呼んでくれた。流石に違う女の名前を呼んでしまうっていうような失態はしなかったけど。いや、なんならして欲しかったものだ。
先程まで寝そべっていたベットに目を向ければ、昨日の行為によって汚く黄ばんでいた。でも、このシーツはベクちゃんと暮らし始めてからずっとずっと使っていた。
汚れてしまう度に、毎回何度も何度もゆすいで綺麗にしてきた。
『きもちわるい』
シーツを全部剥がした。汚れが見えないようにくるんで、それをゴミ袋に詰めた。その上に目に入った台所の生ゴミを投げ捨てた。
今日は丁度ゴミの日だ。
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『お互い暇だね？』
「エリートは仕事が早いから休みの日までに仕事は片すんだよ！これは暇じゃなくて休暇な！」
『そんな休暇に私を呼んでくれてどうもありがとう』
「･･･えっ、あ、ありがとうっていや全然！！寧ろ俺はお前に会いたかっ･･･じゃなくて感謝しろ！」
きっちりゴミを片付けて、ご存知の通り私はオフだったので家で暇を持て余していた。でもこの部屋にいるのは気が沈むと思っていたら丁度ヨリからの連絡。
行きたいカフェがあるから一緒に来てくれだって。
たまには可愛いことも言うじゃないかこいつ。
『本当に有難いって思ってるよ今日は。家にいたくなかったから』
「え、ええ･･･急にそんな･･･照れるだろ！！！」
『うるさいなあ･･･』
「ごめん･･･」
『･･･ふふ、』
ヨリといると本当に楽だ。ここ最近もそうだし昨日のこともあって何かと気を張って生活していたから。
ふとお店のガラス張りから覗く外の道を眺めてみる。
あ、また心が冷えた。
ベクちゃんが笑っている顔が見えたから。
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りん(プロフ) - 百川さん出来れば、消さないで欲しいです。思い出の物とその時の気持ちを捨てるって難しいですね… (2020年2月6日 20時) (
レス) id: 1dd6c0734d (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 仕方ないです。少なくとも、時間がかかりますね。アイドルが結婚これは、永遠の課題。 (2020年1月19日 20時) (レス) id: 1dd6c0734d (このIDを非表示/違反報告)
かおる(プロフ) - すごく分かります！またお会いできることを願っております！ (2020年1月18日 23時) (レス) id: a54c710a34 (このIDを非表示/違反報告)
志乃(プロフ) - 来年の更新楽しみにしてます！ (2019年11月7日 1時) (レス) id: b8cc8aaaa6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - こんにちは。 来年まで楽しみにしています！ (2019年11月6日 8時) (レス) id: c3cca9217a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：百川 | 作成日時：2019年4月14日 0時
