32：信頼 ページ32
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どうやら今日は比較的落ち着いている日らしく、10年ぶりの再会も兼ねて暫く話し合うことになった。
「それにしても、驚きました。本当に戻ってきたんですね」
「まぁな。悟から聞いたのか？」
「ええ。嬉しそうに話していましたよ」
「…へぇ。オマエも大変だろ。アイツ、勝手だから」
「そう、ですね…はは」
「嫌なら嫌って言えよ？多分聞かねぇだろうけど」
決して「はい」とは言わず、笑いをこぼすだけの潔高。
こりゃ相当振り回されてんな。もはや悟の存在がストレスになってそう。
「けど、アイツはアイツなりにオマエのこと信頼してると思うよ」
「…そう、でしょうか」
「アイツは自分が秀でてることを自覚してるから、良くも悪くも人を頼ることってあんまりしないんだよ。でも、オマエは無茶を頼んでもやり遂げてくれるって知ってるから、頼まれるってことはそれだけ信頼されてるってこと」
「はぁ…」
「だから、たまには我儘言ってもいいと思うぞ」
これは勘だ。ただの勘。実際に潔高の仕事を見たわけじゃないし、悟と潔高の関係も知ってるわけじゃない。そもそも10年会ってないし。
それでも、4年を一緒に過ごした悟とかわいがってきた後輩の考えることは今でもなんとなくわかる。
悟は滅多に感謝の言葉を述べないが、それでも言わないだけで信用する相手も、信頼する相手もちゃんと選んでると思う。多分俺より信頼されてるよ、オマエ。
「ま、限界そうだったら俺に言え。何かしてやれるとは思ってねぇが、介抱くらいできるからな」
「それはもう手遅れでは…？」
「そうなる前に言えってことだよ」
「……はい」
やっと返事したな。このお人好しめ。
「んじゃ、早速吐け。なんでもいいぞ。今ならオフレコだ」
「え、いや、それは…」
「誰かに話すと楽になるって言うだろ」
「……えっと、では──」
一つ言葉をこぼしてしまえば意外と話しやすいもので。
最初は遠慮がちに話していた潔高も段々勢いがついて、俺の相槌も聞こえてないのか1人でずっと話している。9割悟の話だけど。
「あれ、A何してんの？それに伊地知も」
「10年ぶりの後輩との談笑」
「おおっ、お疲れ様です…五条さん」
「ふーん。ちょうど暇だし、僕も混ぜて」
「いいけど、潔高がオマエといるのはストレスなんだと」
「えっ、ちょ、瀬川さん！？」
「はあ？伊地知、あとでマジ蹴り」
「マジ蹴りッ…」
「ふはっ。頑張れ潔高〜」
「そんなぁ……」
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朝茶(プロフ) - もぶさん» ありがとうございます！そう言っていただけるとますます頑張れます！これからもよろしくお願いいたします！！ (2022年9月19日 21時) (
レス) @page20 id: 6d4df1d25a (このIDを非表示/違反報告)
もぶ(プロフ) - この作品すごい好きです！更新頑張って下さい！！ (2022年9月19日 15時) (レス) @page19 id: 38a56b994f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無季 | 作成日時：2022年7月9日 21時
