北家に居候する事になりました【稲荷崎】

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あの後治君はお風呂に入り
信介はリビングへ、私は自分の部屋に戻った







そして自分の部屋に入り冷静に考える


治君は何で私と付き合うのか


考えても飯目当てしか思い浮かばない


普通に好意を向けられるのは嬉しいけど…
うーん…あまり実感がないな




「とりあえず寝よ」



寝て頭をリセットさせよう
そうしよう





私は布団に潜り目を瞑り就寝した






そして再び目を開けた時
時計は夜中の2時を指していた





「…喉渇いた」




目覚めた私は喉が渇き冷蔵庫へと向かった




確か昨日買った麦茶があったはず



冷蔵庫を開けると水しかなく、買った筈の麦茶が見当たらない




「あれ？」




ふとゴミ箱を見ると麦茶のペットボトルが捨ててあった




「もう飲んじゃったのか」




どうしよう喉渇いたけど麦茶が無性に飲みたい



…コンビニ近いし行くか







私は自分の部屋に戻り
上着を着て財布を持ち、静かにドアを開けて家から出た




中々夜中に出歩くなんてしないから新鮮でいいな

夜風も気持ち良い






暫く歩いてると背後から足音が聞こえた




夜中で静かだからすぐに分かる




「Aちゃん！」





その足跡の正体はすぐに分かった







「治君？」




私の名前を呼ぶ声がして振り向くと、こちらに走ってくる治君の姿が見えた






「何しとるんこんな夜中に！」

「ちょっと麦茶を買いにコンビニへ」

「阿保か！女の子がこんな夜中に出歩いちゃあかんやろ」

「ごっごめん」







怒る治君に私は咄嗟に謝った





「物音がして起きて窓の外見たらAちゃんいて、まさかと思って外出たらほんまに出歩いてるとは思わんかったわ」

「…心配してくれたの？」

「何言うとんねん。当たり前やろ？」







夜中に心配して私の所まで走ってきてくれて
さっきは信介に私の事本気ですと言った治君



私は単純な女なんで治君が例え私の事遊びだと思っても、こういう事されたら普通に落ちる



「はぁぁぁ」

「え？いきなりどうしたん？」






盛大に溜息を吐きしゃがみ込む私
つくづく自分は簡単な女だなぁと思う





現に私と同じ目線になる様に、一緒にしゃがみ込んで心配そうに私の顔を覗く治君にドキドキしている




「イケメンかよ」

「なんや惚れたか？」



そう言って微笑む治君



これで惚れない人はいないでしょ




「普通に惚れた」

「おん知っとる」

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