61 徹目 しのぶside ページ11
玄関がうるさく開き、屋敷中に響き渡る声がして眉間に皺が寄る。
声の主は案の定煉獄さんで血の気は引いているのに顔は険しく苛立っているようだった。
しばらくして部屋に入ると眠っているAさんの手を握り、眉間に皺を寄せている煉獄さんがいた。
私は持ってきたお茶を煉獄さんの近くに置く。
『私は帰るのに・・』
先程煉獄さんが来る前にAさんが苦しそうに呟いた言葉を思い出して少しだけ眉間に皺が寄る。
帰りたくなくなる前に、未練が大きくなる前にと思っている事は言われなくても分かった。
「・・Aさんは未来から来た人です。帰りたがるのであれば帰すべきです」
「断る」
間髪入れずに否定する煉獄さんに驚く。
目を見開いている私に煉獄さんはAさんの手を見せてきた。
「これを見てくれ胡蝶」
「小指ですか・・？うっすら黒いですね」
Aさんの小指には指輪のようにうっすら黒い痣のようなものがあった。
しかし一周まではしてはいないようだ。
「何度も指切りをする内に浮かんできたんだ。しかしこれ以上は黒くならないし指の周りも一周しない。
きっと、A自らが残ると言わない限りは無理なのかもしれない」
ギョッとした。
彼は帰る方法を知っているんじゃないだろうか。
そんな私の考えが分かったのか煉獄さんは私を見る。
「俺も知らなかった。だが、今まで調べた内容や千寿郎や胡蝶の話しを聞いて確信した。きっとこの痣が指輪のように一周回ればAはここに定着する」
「・・閉じ込めたりしないでしょうね？」
煉獄さんならやりかね無い。
煉獄さんはそんな私の言葉に困ったように笑う。
「きっとAが心から残りたいと思わない限りダメなんだ。
まぁ・・この痣がAを戻さないようにしているようだから俺達が良いと言わない限りは戻れないだろうが」
煉獄さんはAさんの小指に口づける。
「絶対・・離さない・・」
そう言った後、何か決心したような顔をしAさんを抱き上げ帰ろうとした為慌てて止めると
「未来の話しは俺がする。看病も全て。だから帰る」
そう言って聞かず、私はため息を吐いた後薬を処方し2人を見送った。
煉獄さんがAさんの事を好いているのは最初から分かっていたが、ここまで執着が凄いとは思わなかった。
私は2人が帰る姿を見送りながらAさんの選択が悲しい事にならぬよう願った。
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つくね(プロフ) - シンヤさん» シンヤ様！見捨てずいて下さってありがとうございます(´；Д；`)怒るでもなくコメントまで下さるとは、、背中を押して下さったおかげで完結させる事ができました！本当にありがとうございました！(;o;)番外編！そんな需要はないと思っていたので嬉しいです！ (8月26日 0時) (
レス) id: 4b2e6a923f (このIDを非表示/違反報告)
つくね(プロフ) - 紫音さん» 紫音様！コメント下さりありがとうございます！(；ω；)楽しみにしていて下さっていたのですね！本当にお待たせしてしまい申し訳ありませんと同時に嬉し過ぎます(;o;)読み直してまでもらえるなんて光栄です！本当にありがとうございました！｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡ (8月25日 23時) (レス) id: 4b2e6a923f (このIDを非表示/違反報告)
シンヤ(プロフ) - 素敵な作品で完結おめでとうございます🥰🥰番外編あるといいなと思います🥰時間がある時何度も読み返しています🥰🥰ありがとうございます🥰これからも素敵な作品楽しみにしています🥰 (8月25日 2時) (レス) id: 42d6be6a70 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - コメント失礼します。完結おめでとうございます！ずっとずっと楽しみにしていました(^-^)強火でたまに病んでる煉獄さんにいつもときめいていました！とても素敵な作品で、更新していたのを見て、完結したのを見てまた一から読み直してしまいました…！ (8月19日 7時) (レス) @page49 id: 9b48e88303 (このIDを非表示/違反報告)
つくね(プロフ) - シンヤさん» シッシンヤ様ー！｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡返信が遅れてしまい申し訳ありません(;o;)待っていて下さりそしてコメントまで下さるなんて本当にありがとうございます！心臓がギュンとなりました。近々更新させていただきますので読んでいただけますと幸いです！(´；ω；`) (8月11日 0時) (レス) id: 4b2e6a923f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つくね | 作成日時：2021年11月21日 21時
