愛を知らないふたり【イデア】 (ページ2)

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02.ユニーク魔法ページ2

色々あって保健室で治療を受け終わったところまで話は飛ぶ。

Aは空き教室で倒れた時に手足を捻挫してしまったのだ。

「手貸してくれて助かった。ありがとう。それと授業サボらせてごめんね」

「べつに気にしないで。…それよりケガは大丈夫なの？」

「うん。痛み止め飲んでればすぐ治るって」

「ふーんならまあよかった」

…

イデアは気まずそうに目を背ける。

さっきはあの教室の時が止まったみたいに静かだったな。

十数分前

「…。」
「…。」
「あの、」
「ハイナンデショウ」
「イデアにお願いが」
「エッ、拙者は同級生のおっ××なんて見てないでござるーーーーハッ」
「あ、待ってイデア」

自爆して逃げようとするイデアを必死に呼び止めて、保健室まで連れてきてもらった。

完全に女だとバレている。

入学してからの丸2年、秘密は露呈することなく順調に学園生活を送ってこられた。

学園関係者の協力のもと、不都合があるときは対応してもらい、細心の注意を払って日々を過ごしてきた。

この秘密にはある注意事項がある。
それは学園に在籍している間、本来の性別を隠し通すこと。

魔法の鏡に選ばれたわけでもない女の子をナイトレイブンカレッジに入学させたなんて世間に知られたら、私と学園の評判はガタ落ちです。貴方の秘密はトップシークレットです。卒業まで必ず隠し通してください。わかりましたね、ブルーナくん。

入学時に学園長と交した約束だ。
学園側は私の性別を容認している。しかしその秘密が世間にバレなければの話。もしそのようなことがあれば退学処分は免れないだろう。

要するに大勢の人に知られなければ、ひとりやふたりバレてもセーフというわけ。

そして私がいますべきことはイデアの口封じ。

イデア・シュラウド

同じクラスになったのは今年がはじめて
話した機会はこれまでほとんどない
この秘密を隠してもらえるような義理がない

これからその義理を作るためにもまずは仲良くなって友達になるところからかな。

「イデア」

「…ハイ」

「単刀直入に言うね…」

「誰にも言わないでお願い」

あなたの愛は私のもの(コレクトアフェクション)

魔法の詠唱

かける相手はイデア

これでイデアともお友達だ。