どうせなら、雪になって消えたい【鬼滅の刃】

九. ページ9

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壁を飛び越えて屋敷を出ようとしたら、どこからか斬撃が飛んでくる音がした




左に避けると正面から受けるのは避けられたが、小さな斬撃が少し当たってしまった

顔に傷が出来なかった....覆っていた包帯が守ってくれたんだろう


それにしても




A｢なんで...こんなとこで斬撃なんか...｣



炭治郎｢ご、ごめんなさいっ!! 大丈夫ですか!?｣





この声は...あの時の少年?


少年があの斬撃を?





炭治郎「目、怪我してないですか!?｣



A｢大丈夫...大丈夫だから。｣



炭治郎｢でも、包帯がとれて....え?｣





あっ、包帯が....



顔を覆っていた包帯がはらりと落ち


目を開ければ、そこにはかなり驚いた様子の額に痣のあるまだ幼い少年





炭治郎｢母さん.....?｣



A｢えっ、｣





少年はポロポロと涙を流す


母さんって....





A｢大丈夫...? 私、あなたのお母さんじゃないけど....｣


炭治郎｢あっ、あっ!!!! すみませんっ｣





少年は蝶屋敷の患者用の服で、涙を拭う


どうしたんだろう






伊之助｢おいっ、何泣いてやがんだ!!!!｣



炭治郎｢うるさいな!! 伊之助はとにかくこの女性に謝れ!!!｣



A｢い、猪....｣






猪の頭を被った鍛え抜かれた体の少年もいる...


この子も鬼殺隊員?


さっきの斬撃は彼が放ったものだったんだ、





伊之助｢俺は謝んねぇぜ!!! だいたいこの女誰だっ!!!! 俺と権八郎の勝負の邪魔しやがって!!｣



炭治郎｢おい失礼だろっ、この人は...｣



A｢私は雹山A。鬼殺隊員よ、こんなとこで日輪刀を振るったらあぶないでしょ? 指令が出るまで大人しくすることね｣





闘志が熱いのはいいこと


それがなければ鬼殺隊で生きていくなど無理だろう




この痣の少年、なぜ私を母さんと呼んだのかわからないけど


早くこの顔を見られない場所へ...行かなくちゃ





炭治郎｢あっ、待って!!!｣



A｢.....｣



炭治郎｢俺、竈門炭治郎って言います...。あの時は、俺と禰豆子を庇ってくれてありがとうございました｣



A｢....お礼なんていいのよ、私もあなたと似たような境遇だからね｣



炭治郎｢似たような...?｣



A｢もういい? じゃあね｣





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竈門炭治郎....



なんて瞳が綺麗な少年なんだろう





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