二十七. ページ27
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杏寿郎くんの気配を辿っていくうちに、日は昇った
そして私の目に映ったのは、ポロポロと大粒の涙を流す炭治郎くんと
傷だらけで腹に穴をあけた杏寿郎くんが向かい合っている光景だった
A「はぁっ....はぁ.....これは、どういうことなの」
炭治郎「A、さん...っ」
煉獄「A.....。最後に君にも話をしておきたい。こっちに来てくれないか、」
杏寿郎くんの声が、あまりにも弱々しい
力強く大きな声で話す彼の姿からは微塵も想像できないほどの...
最後って、どういうこと
私はゆっくり彼に近づき、隣にしゃがんだ
煉獄「A....今まで、すまなかった」
A「....っっ!?」
その瞬間、目頭が熱くなった
杏寿郎くんの鼓動は、もう小さい
煉獄「先刻の、列車内での君と流星の会話を聞いてしまったのだ。あれは...俺の知らない流星だ
だがA。流星と対峙している時の君は....紛れもなく、共に打倒無惨を志したあの頃の君だった
そして人々を鬼から守るその姿も、れっきとした鬼殺隊員の背中。
なぜ俺は...俺たちは、あの日君を信じることができなかったんだろうか。騙されていたとはいえ、あまりにも愚かだった。本当にすまない」
A「.....っ、ううん。いいの、私のことはいいから...手当てを」
煉獄「いや、俺はもう間もなく死ぬ。話させてくれ
A、俺の闘志はこの竈門少年達に継いでもらう。柱となり、鬼殺隊を支え罪無き人々を悪から守ってほしいと。
少年達にも先程伝えたが、君にも胸を張って生きて欲しい。俺が言えたことではないが、周りに何を言われても決して負けないでくれ」
A「うんっ.....うんっ」
いつの間にか流れていた涙
自分が危ないのに、私の背中を押してくれる杏寿郎くんの左手を力いっぱい握る
そして弱く握り返され、彼は微笑む
煉獄「....俺を看取ってくれるのが、君たちでよかった
A....俺は
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初めて会った日から、君が大好きだったようだ_______」
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もちを愛す者 - まさか天乃の両親が夢主ちゃんと知り合いだったなんて...夢主ちゃん可哀想すぎる... (2020年8月7日 4時) (レス) id: edd235e4c2 (このIDを非表示/違反報告)
misamo0922(プロフ) - いつも読ませて頂いてます!もうほんと切ない!それでもほんと面白い!ほんとこの話好みなんですれ更新楽しみに待ってます! (2020年4月17日 1時) (レス) id: 20ef572ecd (このIDを非表示/違反報告)
梦雨 - どうやって表せばいいか分からないくらい感動するお話ですね……!(泣) とても切なくて…陰謀が晴れて(?)ほっとしました……ハラハラしながら読ませて頂いてます…!更新楽しみにしてます! (2020年4月15日 17時) (レス) id: 6806c82317 (このIDを非表示/違反報告)
赤羽翔陽(暗殺教室、ハイキュー、三代目LOVE)(プロフ) - まさかの天乃のマミーとパピー登場 夢主ちゃんと知り合いだったとは… (2020年4月15日 9時) (携帯から) (レス) id: 6d421c109e (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - いつも読ませて頂いてます^ ^もし、よかったらなんですが「お気に入り…」のところの題名?って言うんですかねそこを作者から的なのに変えて頂きたいです^^;更新楽しみに待ってます! (2020年4月15日 0時) (レス) id: 260c7aaf36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モペペ | 作成日時:2020年4月4日 18時