【メンズ校】Amour à l’infini ③【男主】 (ページ12)

今日:6 hit、昨日:4 hit、合計:49,977 hit

※野上side ページ12

※おまけみたいなもんです

　

宣杜が戻ってきてから嘘みたいに復調した。
なんか腹立つが、あいつが戻って来たんだから良しとするしかない。

牧「野上って単純だよね」
野上「は？」
牧「宣杜が戻ってきたの本当に嬉しいんだね」
野上「ちっ…お前に関係ないだろ」
牧「あるよ！野上の所為で俺ずっと宣杜に睨まれてたんだから」

そういえばそんなこともあったな、と思い出す。
今考えるとあの頃から威嚇するくらい俺のことがそういう意味でも好きだったの、擽ったい。

人に愛されるという実感をくれた宣杜は、愛に飢えてるからこそあんなに真っ直ぐなんだと思う。
本人に自覚はないだろうが、あいつは本当の愛を求めているんだ。

　

宣杜がなんで俺に執着してるのか。
俺が好きだから、以外にも要因があると考えている。

捨て子と言えど今の両親から愛されてないことはないと…思う。
けどあいつは家での立場、未来の選択がない状態が…希望のない日々に生きた心地を見出せなかった。

学校で、俺の前以外であんな顔をしてたのはそういうことなんだと、今は納得している。
無関心で無頓着なのは、先の決まった将来があったから。

自分の価値がそれだけだと思って、余計なものを考えないように。

明るい人間ほど何かを抱えているとは、よく言ったものだ。
あいつは闇が多すぎる、抱えすぎだ。

本当に触れられたくないものだからあんなに隠すのが巧みだった、愛想の良さは鍛えられたと自虐してたのはいつだったか。

野上「牧はそういうの気にしないんだな」
牧「なにが？」
野上「受け入れるのがやけに早い」
牧「…ああ。好きならそれでいいかなって」

まあ最初はびっくりしたけど、と牧が肩を竦める。
こいつは平凡に見えて思考は柔軟。変に開き直りがあるというか、なんだろうな。