ベビーシッター頼まれてくれ【呪術廻戦】

15.ちゃっかりしてんな ページ16

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バカ2人は硝子に追い出して貰ったので、安心して刹那をお風呂に連れて行く。刹那は見た目1歳に見えても今日生まれたばかりなので、抱っこする必要がある。これ忘れてる人多いと思う(作者が忘れてた)


一般家庭に備えられている浴室よりは幾分か広いそこに足を踏み入れると、少しひんやりしているタイルの感触が返ってくる。あ、嘘。結構冷たかったわ。


「先に体と頭洗ってから浸かる？」

『ん。そうだね。刹那、頭洗おっか』


私が問うと刹那は返事をするようにふにゃっと笑った。いつ見ても可愛いなあ、おい。
横では硝子が悶絶している。カメラ欲しいとか言ってるけど、だから許可取ってってば。


『刹那、危ないからおめめ閉じててね』


刹那の髪を弱めのシャワーで濡らしてシャンプーをつける。あまり力を入れないようにしてゆっくりと髪を洗っていく。
刹那は、今日生まれたとは思えない程大人しく目を瞑って私に洗われていた。可愛い上に賢いとか、天使なんですか？天使なんですね。分ります。


「痒い所はありますかー？」と聞けば、ふるふると横に首を振る。その仕草すらも可愛かった。


「A、体洗うのは私がしてもいい？」

『しょうがない、硝子は親友だから許可しよう』

「なんかムカつくけど、ありがとう」


刹那の髪の泡達を丁寧に洗い流して、硝子と交替する。この為に見たこともないスピードで洗ってたわけね。


「A、これ手で洗っても」

『ダメ。絶対ダメ。柔らかいスポンジで洗え』

「チッ…じゃあ刹那、くん。硝子お姉さんが洗ってあげるから、じっとしててね」


手で洗おうとする硝子を全力で阻止して、2人を見守る。硝子もたまにあの2人と同じ感じのこと言い出すよなあ。私利私欲の塊だからだろうか。
何を緊張しているのか硝子は刹那のことを君付けで呼ぶ。よく見るとちょっと手が震えていた。どんだけ。しかし、名前を覚えさせようとする所は抜かりない。ちゃっかりしてんな。


硝子に洗ってもらっている間も、刹那は騒ぐことはなかった。あれ、本当に今日生まれたばっかなのか分かんなくなってきたわ。私産んだよな？うん、産んだわ。
けれど少しくすぐったいのか時折クスッと声を漏らし、身を捩っていた。可愛い。


それから、3人揃って湯船に浸かる。寮の湯船は3人が入るのには充分すぎる程の広さだった。
ふうーっと息を吐いて温まる。バカ2人が居ないっていいな。リラックス出来る。


そんなことを思いながら、私達はゆっくりお湯に浸かってからお風呂を出た。

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