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story8 ページ9

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「大丈夫?」


『!!!!!す、すみません!』


また知らない人に助けられちゃった
ていうか階段で足滑らすとかいつか死んじゃうよ・・・
と、心の中でブツブツと呟く


「いやいいよ、ここの階段靴下だと滑るからお客さんにはスリッパ履かせるようにって凛に言ってあるんだけど忘れてたみたいだね。ごめんごめん」


そう言うと見知らぬ男の人はスリッパを差し出してきた


『すみませんわざわ・・・・・・ん?』


落ち着きを取り戻しかけた頃
デジャブかのように体育館の階段での出来事が鮮明に蘇る


確かあのジャージの色って・・・
この身体の大きさ・・・そしてこの声・・・
あれ、でも別々に暮らしてるからこの方はお父さん・・・?


「あ!!!!」


思わずビクッとしてしまう


「君、体育館の階段でも転びかけてたやろ?」


や、やっぱお兄さんだった・・・!


『その節は大変ご迷惑をおかけしました・・・』


「いいっていいって(笑)凛の友達だったんだね。でもほんとに気をつけなよ?」


そう言うと頭をぽんぽんとして外へ出ていった
ぼーっとその玄関先を見つめる


「もしかしてお兄ちゃんとなんかあった?声がしたけど」


『あ、凛ちゃん・・・!そーだ!』


握りしめていたスマホの存在を思い出す


『着信鳴ってたから渡そうと思って階段降りてたら滑っちゃって、お兄さんに助けられたみたいで』


「あー!!スリッパ忘れてたねごめんね!怪我は?!ない?」


『お兄さんのおかげで無傷です・・・2度も』


部屋に戻り前回の出来事の経緯を話す


「たまたま昨日からこっち泊まってたんだよね。ほんとナイスタイミング!しかも2度も!運命なんじゃない?」


『うっ?!うん?!』


「う・ん・め・い」


その言葉が二重、三重にもなって脳内再生される

そんな私をニヤニヤとしながら凛ちゃんはまじまじと見つめる


「んもーほんと羨ましいくらいにウブだなあ」


『からかわないでよ(笑)』


「でもいつかきっと誰かに愛されて誰かに抱かれるのよ」


いきなり落ち着いたトーンで話し出す


『もうほんとやーめーてー!(笑)』


「だって、Aちゃんいじりがいがあるもん」


『ほらほら、ミサンガのデザイン決めなくていいの?』


「あ、そうだったそうだった」


なんとか切り抜けた・・・と、ひと安心するのだった

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作者名:monoa | 作成日時:2020年7月17日 20時

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