platonic love... (ページ5)

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悲鳴に近い歓声は収まったものの、まだザワついている

「あの人は及川さん。あの人に憧れて青城に来たの」

そう言って及川さんとやらの場所を指さして教えてくれる

『あらやだイケメン』

見るからに〝美〟という言葉がぴったりだ

「Aちゃん、分かってるね！(笑)」

『なるほど、なるほど。つまり凛ちゃんは及川さん目的ってことね？』

「そういうこと。本当かっこいいのよねー･･･うっとりしちゃう」

『凄い人気だね。本当に現実に学校でキャーキャー騒がれるような人間が存在するとは･･･』

「あの甘いルックスで、ファンサも怠らないからなあ。罪な人だよあの人は。」

『でもそんな不純な理由でマネージャーできるの？』

「不純って(笑)ほら、バレーしてたって言ったでしょ？正当な理由よ。」

『そっかそっか！忘れてた(笑)がんばってね、応援してる！』

「ありがとう、倍率が凄そうだけど(笑)頑張るねっ！」

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練習試合も終わり、
先程まで埋め尽くされていた2階もガラ空きになり
館内にいた選手たちもいつの間にか居なくなっていた

「ごめんね？長い時間付き合わせちゃって」

『ううん、全然！バレー見たこと無かったけど楽しかったよ！ありがとうねっ』

「じゃあ帰ろっか！って･･･あれ？」

『どうしたの？』

カバンの中をゴソゴソと漁り何かを探している

「スマホ引き出しに忘れたっぽい･･･！Aちゃんは玄関で待っててー！すぐ行ってくるね！」

『わかったー！転ばないようにね！』

そう言い、1人体育館を出ようと階段を降りる

やっぱり部活っていいよなぁ･･･
と思いながらもめんどくささが勝ってしまう

ゲームが出来なくなるのは嫌だもんね！(そこ)

そんな考え事をしながら階段を降りていると
誰かが階段を登ってくることに気づく

ここの階段は狭い
慌てて端に寄ろうとする

その瞬間、足を滑らせたのか
視界が傾きかける

『わっ･･･！』

「おっ･･･と」

やばい、転ぶ！と思い思わず目を瞑ったが
一向に痛みが来ない
ゆっくり目を開けると大柄の男の人に受け止められていた

目が点というのはこういう事だろう
男の人を見つめ、言葉も出ずに体も動かせずにいた