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story24 ページ26

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彼はキョトンとしたような顔でその行動を見ている
その顔がちょっと面白くて、可愛く見えた


手を繋いだままゆっくりと流れる時間を過ごす
手から伝わる彼の体温が心地良くて胸がぎゅっとなる


「何かあった?」


『え・・・?』


「いや、普段ならこんなことしないなって思って」


『す、すみません・・・迷惑でした・・・かね』


思わず手を離そうとするとぎゅっと握り返される


「こらこら、俺はAが好きなんだから迷惑も何も、嬉しいっていう気持ちしかないよ?」


そう優しく私に微笑みかける

好きという恋心を自覚してしまうと
気持ちが加速していく
それと共にもっと触れて欲しい
という気持ちが溢れ出てくる

はしたないかな・・・?なんて思ったりもするけれど
恥ずかしさより、欲が勝ってしまっているのだろうか
今なら言える、と思い
周りに誰もいないことを確認し
口に出してみる


『・・・あの、変なこと言っていいですか?』


「ん?」


『キス・・・してほしいです』


「・・・・・・ん?」


『だめですか・・・?』


「ダメじゃないしむしろ全然いいんだけど・・・俺でいいの?」


ゆっくりと頷くと力強く抱き締められる
抱き寄せた体を少し離し
少しの間を置いて、顔が近づいてくる

ほのかに感じた唇の感触
触れるか触れないかの軽い口付け

物足りなさを感じ、自分から口付けをし返す


ゆっくりと唇を離し彼が真っ赤に顔を染めているのを目にし
自分の行動に対し一気に恥ずかしさが増してくる


互いに緊張からか少しの沈黙が生まれる


言うなら今しかない・・・
感じたことや思ったこと、きちんと伝えなきゃ

そう自分に言い聞かせ、深く深呼吸をする


『一静さんと、お試しでお付き合いを始めてからたくさん楽しませてもらいました。・・・最初は不安なこともありました。でもその中で手を繋いだりだとか、肩を寄せあったりだとか・・・、抱きしめてくれたり、全部がすっごい幸せだったんです。もちろん今の・・・キスだって、すごく満たされたというか・・・、胸がきゅーっと締め付けられるような感覚でした・・・。私はこの気持ちが恋なんだなって思います。凛ちゃんにも色々お世話になって、1人だったら知らなかった気持ちかもしれない。でもやっと、分かりました。私は・・・・・・一静さんが、好きです。』

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作者名:monoa | 作成日時:2020年7月17日 20時

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