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やっと示された反応に、しかし言葉は返ってくることはない。
ただ口をきゅっと閉じて、微妙に視線をさ迷わせて。ただそれだけ。本当にそれだけ。グルッペンの帰れという言葉に示した反応は、たったこれだけだ。
やっぱり言葉がわかるんじゃないか。
それならなぜ今まで沈黙を突き通して、ずっと俺の方ばかりを見ていたんだ。
――そこで、最初に考えた可能性が浮上する。
女性に近付いて、わざわざ威圧感を与えることもないだろうとしゃがみ目線を女性よりも低くする。
俺を見下ろす形となった女性は心無しか困っているようにも見えた。
グルッペンは俺の行動を黙って見守るだけ。
「もしかしてやけど、喋られへん？」
この言葉に、きっとグルッペンは無反応だと思うだろう。恐らく、見えている角度的に。
しかし女性より目線が低くなった俺には、女性がゆっくりと瞬きをしたのが見えた。そしてそれが、きっと肯定の意味を示しているであろうことも。
「文字は書ける？」
今度は瞼を上げて視線を俺から逸らす。
なるほど納得。
どうして大きな反応をしてくれないのかはわからないが、今まで無反応だと思っていたのはそうでなかったかもしれない。
これまでの問答では距離があったためにその些細な変化を見落としてしまっていたのだろう。
喋ることも出来ず――恐らく声が出ないのだろう――文字を書くことも出来ない。相手に言葉を伝える術がこの女性にはなかった。
「……トントン？」
呼ばれた名前に立ち上がって、グルッペンの方に身体を向ける。
ここまでの反応を見るにないとは思っているが、無防備に背中を晒してしまっていることに気付いて半分だけ女性の方へ身体を向けた。
「あれや、この人喋られへん」
「なんで今のでわかったんだ」
「全くの無反応じゃなかったで。近付いたらわかった」
「文字は？」
質問に言葉を返さずに首を横に振る。
文字が書けないとなると意思疎通は無理だろう。これから教えていけばいいのだが、そうなると身元がわからない以上ここで面倒を見ることになる。そこの判断はグルッペンに託された。
これが男なら士官学校へでも入れさせればいいのだが、如何せん目の前にいるのは女性だ。しかも、俺とそう年齢が変わらないぐらいの。決して少女とは呼べない程には成長している。
「とりあえず、ロボロと大先生待ちだな」
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1528 - うおぉ、、最大のなぞが残った.... (5月30日 18時) (
レス) @page15 id: eb05b364fd (このIDを非表示/違反報告)
めも(プロフ) - 続きが気になる、、 (2022年3月10日 2時) (レス) @page15 id: bc1ca9e680 (このIDを非表示/違反報告)
闇ちょこ(プロフ) - 気になるところで終わるになっている…ミスなのかもう更新しないのか…どちらにせよとっても面白いです。 (2020年6月13日 16時) (レス) id: f89a326571 (このIDを非表示/違反報告)
紫紅兎(プロフ) - もう更新なさらないのかしら…かなちい…楽しみにしてますね (2020年3月28日 1時) (レス) id: fcae62d2ac (このIDを非表示/違反報告)
人狼 - とても面白いです。d!さん応援してますむりせず頑張って下さい (2019年10月9日 20時) (レス) id: a6f89088d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：作者 | 作成日時：2019年10月2日 3時
